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サイカは秋人の作った味噌汁を火傷しないようにゆっくり口にする。
「はぁ~、おいしい~!」
秋人は味噌汁にそれなりの自信があった。もともと祖父が味噌汁が好きで、もっと美味しいものをと思い、きちんと出汁から作るようにしてみるとめちゃくちゃ喜んでもらえたのだ。それから秋人の数ある得意料理の中でも特に自信があるものは味噌汁になっていた。
「秋人、この煮物もすごく美味しいよ!秋人は本当に料理が上手だね。」
「おっ…大袈裟ですよ…。」
祖父以外に料理をほめられたことのない秋人は照れてしまいどこか冷たい返事をしてしまう。そんな彼をサイカは可愛らしいと思いながら箸をすすめた。
「じゃあ、サイカさん!俺学校行きますんで!」
「うん、気を付けて行ってくるんだよ。」
玄関で靴を履き、ドアをあける。
振り替えればサイカがいて、秋人は胸がぎゅっとなった。
また、こんな風に見送ってくれる人ができるとおもわなかった…。
「行ってきます!」
正直凄く嬉かったが、恥ずかしさからか不器用な笑顔をサイカにむける。
「行ってらっしゃい。」
そんな秋人をサイカは笑顔で見送った。
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