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午前の授業が全て終わり、いよいよ調理実習の時間になった。
秋人は家庭科の村田先生に借りた、予備のエプロンをつける。
隣では佑樹が鼻歌を歌いながらエプロンとお揃いのピンク色をした三角きんをつけていた。
「それでは、調理実習をはじめます!
今日はブラウニーを作ります。オーブンなどで火傷しないよう注意して楽しく作りましょう。」
村田先生の言葉を合図にみんないっせいにブラウニー作りにとりかかった。
材料をはかったり、チョコをきざんだり、普段は不真面目な佑樹も調理実習だけは真面目にやっている。
篤人はメレンゲを作るためひたすら泡立てきで卵白を泡立てていた。
秋人はチョコを細かくきざむ。
「トントントントントントン。」
「五十嵐君は包丁の使い方が上手ね。」
村田先生が秋人の手元を見ながら感心したように言う。
「ありがとうございます。家でもやるんで慣れてはいます。」
「そう。偉いのね。手を切らないように気を付けてね。」
村田先生は微笑みながらそういうと他の班の所へむかった。
ある程度生地ができてきたころ、香りを良くするためにブランデーを入れようと秋人はブランデーの蓋をあけた。
すると次の瞬間、「ドンっ!」と背中に衝撃がはしる。
(えっ?!)
衝撃によりよろめいた秋人は、手に持っていたブランデーの瓶を生地の中におとしてしまった。
「うわぁぁ!やっばい!!」
急いで生地から拾い上げる。
幸い、急いで拾い上げたおかげか、分量よりも少し多め程度ですんだようだった。
一応、村田先生にも確認してみると「このくらいなら大丈夫よ。他の班よりは少し苦いかもだけどね?!」と言われる程度だった。
衝撃の原因は、秋人の後ろを通っていた女子がつまずいてよろめき、秋人にぶつかったためだった。女子は凄く謝ってくれた。
「まあ、大丈夫なんだろ?!ちょっと苦いくらい問題ないし!」
佑樹はあまり気にしていないようで、「さっさと焼いて食おうっ!」とはしゃいでいる。
篤人は篤人で、「俺のメレンゲが死んでいなければ問題ない」と言っている。
秋人はこいつらと班のでよかったと思いながらオーブンに生地を入れるのであった。
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