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猫
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「なあ、ハヤテって猫飼ってないの」
俺はおもむろに友人である今城ハヤテに問いかけた。
「はあ?お前チビの頃から俺の家来たりしてたけど1度でも猫がいたことあったか?」
肝心の彼はこんな様子である。
赤ピンで留めた金髪は高1の夏から。俺が同じクラスになれなかったから彼はヤンチャな奴らとつるみ、流されやすい彼はこんな風な髪になってしまった。
見た目で怖がられることはあるが、まあ髪だけなんだ。中身は小学生の頃と変わらない。実はとても臆病で、そのヤンチャな奴らに仲間はずれにされるのが嫌で染めたんだ。喧嘩もしなけりゃ酒もタバコもしない。根は優しい童顔へなちょこヤンキーである。
「いや、なんか新しく飼ってたりしないかなって」
「だめだよ、アイツ飼うと俺、アイツの下僕になっちゃう」
しかも動物に弱い。もうこんなのヤンキーじゃない。
「でもなんで急に?」
彼はスマホを開いてゲームを起動する。あまり聞く気はなさそうだ。
「やあ…、ちょっと、ね?」
「……………なんだよ」
あとほんの少しだけ焦らすだけで彼は釣れるから本当にちょろい。
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