アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
*
-
ドアがガチャッと開いた瞬間、あいつは咄嗟に俺の口元を手で塞いだ。
「阿川いるのか?」
その声は柏木の声だった。阿川は柏木に名前を呼ばれると一瞬沈黙した。そしてこっちをチラッと見てきた。
この状況で誰かに見られたらマズイ状況だった。そう思うと妙な緊張感が走った。柏木は再びドアの前でアイツの名前を呼んだ。
「阿川いないのか?」
柏木はそう言ってドアの前から離れると、部屋の中に入ってきた。その瞬間、再び妙な緊張感走った。阿川は再び名前を呼ばれたが沈黙したままだった。それどころか余裕の様子で笑っていた。俺はこの場を同僚に見られたらマズイと思い、咄嗟にアイツの足を靴で踏みつけた。すると阿川は一瞬、顔を歪めて痛がった様子を見せた。そして真上に押さえつけた両手をパッと離した。押さえつけられていた両手を解放されると、俺は乱れた服を慌てて直した。
阿川は俺から離れるとスタスタと歩いて、棚の後ろから顔を出した。「呼びましたか?」そう言って平然と返事をした。
「あれ、いたのか?探しただろ?」
「ああ、ちょっと資料を探してたんです――」
柏木は阿川が棚の後ろから出てくると、そこで二人して話はじめた。俺は間一髪、同僚に濡れ場を見られずに済んだ。むしろ横にボードやら、棚が並んでいたから、見られずに済んだと安堵とセーフの気持ちの方がデカかった。柏木は俺の存在に気づかない様子で阿川と話していた。
「資料みつかったのか?」
「ああ、ちょっとここには見当たらないです」
「そうなのか?俺も手伝ってやろうか?」
「大丈夫です。自分で探しますので――」
「遠慮するな、二人で探した方が早いだろ?」
柏木はそう言ってこっちに向かってきた。すると阿川が柏木の前に立った。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
29 / 106