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「えっ……!?」
右手を掴まれると、俺はハッとなって振り返った。そしてそのまま強引に体を壁に押し付けられると、アイツが壁に向かって両手をついてきた。
そして強い眼差しで俺の事を見てくると次の瞬間、屈んでキスをしてきた。いきなり口を塞がれると、されるがままに俺はあいつに唇を奪われた。
「ンッ……ンン……!」
「ッ……ン……!」
抵抗する余裕もなかった。強引にキスされて、頭の中と体が熱くなって仕方なかった。そして胸の中が苦しくなって息苦しくなると、俺はあいつの背中に爪を立てて抵抗した。不意に唇が離れると、俺は赤面した表情でアイツの顔を思いっきり叩いた。
「お前一体、どういうつもりだ……!?」
そう言って怒鳴ると、あいつは俺を見てクスッと笑ってきた。
「――葛城さん、相変わらず隙だらけですよ。」
「何ッ……!?」
「俺、前に言いましたよね?隙あらばドンドン攻めるって。はったりだと思ってるなら大間違いですよ。あと1つ言っておきますけど、あの人には絶対負けませんから。負けるつもりもなければ、貴方を渡すつもりもないです――」
「あ、阿川………!?」
あいつはいきなりそう話すと、エレベーターから出て行った。俺はその言葉に動揺すると、そのまま壁際に凭れてため息をついた。
「ッ、 阿川の野郎……! いきなりキスなんかしてきやがって……!人の気持ちなんてお構い無しに、あいつは…--!」
あいつはいつも強引に、俺の心に土足で踏み込んでくる。それなのに俺はあいつをなかなか拒めないでいる。嫌いって言えば簡単な話なのに、そうすればこんな思いしなくて済むはずなのに、なのに嫌いになれない……。
「これが本気の恋愛ってやつなのか…――」
よりによって、同性同士の恋愛で気づかされた。
俺が思っている以上に、あいつは本気で俺のことを好きなのかも知れない。なのに俺は、まだ答えが出せていない。今はどうしたらいいかわからなくて、あいつから逃げて、心が宙をさ迷ってるのかもしれない。
「このままじゃ、まずいよな……」
俺はあいつの気持ちにいずれは、答えを出してやらないといけない。なのに俺にはその答えを出す勇気がない。
「困ったな。どうしよう…――」
あいつのことを考えると、さっきのことを不意に思い出して体が熱くなった。そして、胸のあたりがまだ苦しい。俺は微熱に体を熱くさせると、ぎゅっと自分の体を抱きしめた――。
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