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「――ちょっと調子に乗りすぎたかな。葛城さんに謝ってこよう」
さっきのことで彼はきっと怒っているに違いない。そう思った俺は、葛城さんを探しに部屋から出て行った――。
午後の社内は、朝の騒がしい社内とは大違いに静かだった。みんな朝は忙しそうにデスクで仕事をしている。オフィスで鳴る電話の音、それに対応している誰かの声。外回りに行ってくる人もいれば、取引先に行ってくる人もいる。あとはひそひそ話や、機械が鳴る音とか、慌ただしくオフィスを駆け回ったりする足音とか、朝は朝でうちの部署は騒がしい。
午後だからオフィスも人がマバラだった。俺は戸田課長に掴まらないように、細心の注意を払いながら葛城さんの姿を探した。そして、何食わぬ顔で彼のデスクを見に行くと、パソコンの画面はついたままで、肝心の彼が見当たらなかった。
おかしい……。まだ戻ってきてないのか?
さっき彼は、慌てるように部屋から出て行った。だとしたら先に戻っててもおかしくない――。なのに葛城さんはどこかに行ったのか、姿が見当たらなかった。
「あれ、鞄はある……。だとしたらお手洗いか?」
俺は其処で彼の鞄を確認すると、独り言を呟いて首を傾げた。とりあえず戸田課長に見つかると色々面倒だったので、俺は足場やから彼のデスクから離れた。そしてそのまま部署を抜けると、近くの男子トイレを見に行った。
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