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「じゃあ、あらためて……!」
「ん?」
「葛城さん俺と一緒に帰りましょ?」
「ッ…!?」
そう言って隣で彼の手を取ると、そこで然り気無く握ってきた。いきなり手を握られると、顔を赤くしながら手をふりほどいた。焦った感じの彼の表情に阿川はクスッと笑った。
「なにも照れなくても……」
「っ、お前…!? 何をいきなり人の手を…――! 誰かに見られたらどうする!?」
「あ、もしかして照れてるんですか? なんか可愛いですね…――」
「だっ、誰がお前なんかに照れるか……!!」
葛城はムカッとなると、彼の頭をバシッと叩いた。
「いいですよ、俺は誰かに見られても。その分、貴方を独り占めできる」
「なっ……!?」
その言葉に胸がドキッとなると、彼の真っ直ぐな視線に目を反らせなかった。
「そ、そう言う冗談は女に言えよ…――。俺は男だ。それを分かって言ってるのか……?」
「ええ、わかってますよ。貴方だって俺の気持ちを知ってるはずだ。恋愛に男とか女だとか気にしてるのは葛城さんの方だ。俺にはいつだって貴方しか見えない…――!」
「阿川っ……!?」
押さえていた感情を剥き出すといきなり強引に自分の方に引き寄せた。そしてそのままキスしようとしてきた。葛城は持っていた鞄を地面に落とすと、キスされそうになって思わず目を瞑った。僅かに体が震えると、阿川はキスする直前で止めた。そして然り気無く彼のオデコにキスをした。
「ッ…――」
葛城は彼にオデコにキスをされると、ギュッと瞑った瞳を開いた。
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