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「……狡いですね、貴方は。そんな顔されたらキスできないじゃないですか?」
「ッ…――! ホントお前はキスばかりだな!? そっ、そうやっていつも俺に…――!」
葛城はカッとなると彼をグイッと引き離した。すると阿川は溜め息をつくと彼の肩に頭を乗っけてきた。
「ああ、ダメだ……」
「っ、お前離れろ……!?」
「葛城さんの省ですよ?」
「な、何でも人の省にするな……!」
「いきなり騒いだからお腹が空きました」
「はぁっ!?」
阿川のその言葉に驚くと思わず頭を抱えた。そして呆れた表情で溜め息をついた。
「ったく、恥じをかかせやがって……! 人に迫っておいて腹を空かしてるんじゃねーよ!?」
「葛城さん何も怒らなくても……! ああ、何か食べないと気持ち悪くて吐きそうです……!」
「人の肩の上で吐くな!」
そう言って怒りぎみに言い放つと、近くに飲食店がないか見渡した。
「ったく、しょうがないな……。どこか近くの店にでも入るか?」
「そ、そうしてもらえると助かります……ウプッ!」
「店につくまで我慢しろ、ホラ行くぞ!?」
葛城は呆れた表情で彼にそう言うと前を先導して歩いた。その後を阿川は気分悪そうな顔色でテクテクついて行った。そして、暫く歩くと焼肉屋を見つけて二人は入った。
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