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柏木は葛城が眠っている顔をジッと見ながら一人考えていた。一瞬、不意にさっきの出来事を思い出した。普段とは違った葛城の様子に彼はそこでぼそっと呟いた。
「――まさかお前があんなバカな事するなんてな。普段は冷静なお前が、あいつのためにあそこまでするなんて俺にはわからないな…。なんであの時、お前は阿川の為にあんな無茶な事を……」
「ん……」
「お、葛城。目が醒めたか?」
萩原は彼の側で名前を呼んで話しかけた。だが、葛城はそのまま酔いつぶれて熟睡していた。時折小さな寝息を立てていた。名前を呼んでも反応してないことから、柏木は濡れたタオルで彼の顔を拭いた。
「お前、顔が火照ってるぞ。本当に大丈夫か?」
「ん…熱い……」
葛城は寝ながら声に反応すると不意に呟いた。
「全く世話がやけるな。しょうがない、脱がしてやるか」
そう言ってワイシャツのボタンに指を掛けると、自然に胸元のボタン外した。
「これで少しは楽になっただろ?」
「ん……」
「優しい親友に感謝しろよ…――」
「…阿川……」
『ッ……!?』
その瞬間、動揺すると彼の方をジッと見た。
「…だっ、誰が阿川だ…誰が……おいおい、アイツと間違えてるのか……?」
そう言って話しかけると柏木は急に黙り込んだ。そして、そのまま右の頬に触れた。
「親友を誰かに間違えるなんて酷いやつだな……」
寝顔を覗き込みながら軽くほっぺたをつねった。
「ん……」
「…つったく、本当に誰に間違えてるんだか……。親友やめてもいいんだぞ? おい、聞いてるのか葛城…――」
そこで独り言をつぶやくと、眠っている彼に話しかけた。だが、返事をしない様子を見てため息をつくと不意に名前を囁いた。
「信一……」
不意に布団の上に手をつくと、今まで胸に秘めていた感情が急に溢れた。そして、抑えられなくなると、そのまま屈んで口づけした。
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