アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
*
-
「っ……!だっ、誰に言ってるんだか…――!」
葛城は彼の怪しい視線から目を反らすと、止めていた箸を進めた。
「そうなんですよね。なかなか本命の人が振り向いてくれなくて、俺も困ってるんですよ。でも、そう言う所もそそられるんですよ。だから何がなんでも振り向かせたくなりますね。俺、今ある先輩を攻略中なんで――。でもその人、なかなか振り向いてくれなくて……」
「ッ……!?」
彼はそう話ながらテーブルの上で両手を組むと、首を傾げてニコリと笑った。その悪戯な微笑みに、葛城は気持ちを煽られた。
「っ、だから何でそんなことを俺にはな……!?」
言い返そうとした瞬間、足下に違和感を感じた。その感触は爪先で自分の脛を触られてる感触だった。ズボンの隙間からつつっと相手の爪先が入ってくると、葛城はハッとした表情で阿川の方を見た。阿川はテーブルの下で葛城の体に触れると、足下を器用に動かしてニコリと笑ったのだった。
「やっ、やめろ……!」
葛城は小声でやめろと言うと、相手は知らないフリをして惚けた。
「なんのことですか?」
阿川は惚けたフリを続けると、再び葛城の手の甲を指先で然り気無くなぞった。
こっ、こいつ……!
彼の悪ふざけに葛城は今にも怒鳴りそうな雰囲気を見せた。だが、社内の食堂で大声を出したら周囲に注目されると思い、そこでグッと堪えたのだった。
「葛城先輩、教えて下さい。どうやったらその人を振り向かせられると思いますか?」
「しっ、知るか……!」
「俺は至って真剣なんですけどね?」
阿川はそう話すとグイグイ攻めてきた。積極的にアプローチされると、葛城はますます押された。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
8 / 106