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阿川は女性社員に囲まれて、何故かチヤホヤされていた。それを見た俺はムッとなった。仕事中だぞと思いながらも、自分もつい手を止めて、あいつらの方をジッと見てしまった。
「阿川君、すごーい!パソコン詳しいんだね、もしかして専門学校とか言ってたの?」
「ええ、10代の頃ですがパソコン教室とか通ってました。でも自慢することじゃないですよ。こんなの出来て当たり前です。ほら、さっきの古いのをアップデートしたからこれで効率よく仕事の作業が捗ります。もし解らないようでしたら、後でそちらに見に行きますよ?」
「えっ、本当に……!?阿川君って優しい、じゃあ後で私の所に見に来て!私パソコン余り詳しくないのよね。阿川君頼もしいから助かる!」
女性社員達はあいつの側から離れず、ずっと話してばかりだった。俺はそんな様子を自分の机から黙って見ていた。
「でも阿川君って本当に優しいよね!それに若いのにしっかりしてるし、仕事も早くてさすが戸田課長に気に入られてるだけにあるよ。それに阿川君って笑うと笑顔が素敵だよね?」
眼鏡をかけた女性社員があいつを誉めちぎると、グイグイ迫っているようにも見えた。あいつはヘラヘラ笑いながらそんなことないですよと言い返していた。なんか満更じゃない感じがムカついてきた。
俺はその様子に再びムカッとなると、ムッとした表情で机に置いてあった紙をグシャッと握り潰した。
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