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薄暗い一室、どんよりとした空気がそこら中に充満している。人が部屋に集められてから、約二時間。十人程の老若男女が、皆怯えたような表情で蹲っている。皆、身なりは様々で小綺麗な者も居れば、清潔とは言い難い者、そして、和人と綾人のように暴力の跡がある者。そこにいる理由もまた様々である。
重苦しい中、突然扉が開く。蹲っていた者が皆体を震わせ、小さな声で呟き続ける。
扉を開けて入ってきたのは、黒スーツに身を包んだガタイのいい男達。
男達を見た瞬間に、恐怖から逃れたいと逃げ出そうとする皆をいとも簡単に押さえつけ、一人、また一人と部屋の外に連れて行かれる。
その中には兄弟二人も含まれており、二人もまたつれていかれてしまう。あっという間にその部屋には誰一人としていなくなり、また新たな場所へと連れて行かれるのであった。
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