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「ほらどうした?!さっきまでの威勢は何だったんだ?」
パシッ…と乾いた音が静かな部屋に響き渡る。聞こえてくるのは、男の怒鳴り声と頬を叩く音。
「うっ…」
僅かな呻き声を上げる少年は、幾つもの痣を身体につけ、良い生活を送ってきたと言いうにはあまりにも酷い身なりをしている。
「おい、あいつーどこ隠した?さっさとはけ!!」
重い一撃が少年の頬に叩きつけられる。
「っ……うっ……」
「和人ぉ…悔しいかぁ?蹴られても殴られても、お前らは俺がいなけりゃ食うことも生きることもできねぇ。ガキのお前らは反抗できるわけ無いよなぁ?」
嘲笑うかのように薄気味悪い笑みを浮かべる男は少年を見下す。少年は抵抗する事が出来ず、ただ唇を噛みしめる。
「お兄ちゃんっ…」
声を張って出てきたのは、少年より更に二つ三つ年の離れた幼い少年である。兄弟である彼らは実の父親から虐待を受けていた。
「あや…と…何で隠れて無いんだよ…っ」
「お兄ちゃんがこんな目にあってるのに、隠れていたくないよっ…」
そう言って、兄である和人に抱きついた。
「綾人…やっときたかぁ」
弟の綾人が出てきたのを見て、先程とはまた違った薄気味悪い笑みを浮かべたのであった。
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