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「今日でお前らとはお別れだ」
父親からの突然の言葉に、二人はただ目を見開いている。その言葉はある意味、二人を暴力の日々から解放する救いの言葉であった。
「……どういうこと?」
和人は若干の間を置いて、父親に質問する。
「そのまんまだ。お前らと俺は別々に暮らすんだよ。お前らは俺に暴力を振るわれなくて済むし、俺もお荷物が無くなる。最高だろ?」
その言葉を聞いて綾人はただ安心した。しかし、和人は父親の言葉を信じずにただ黙っている。
「これからは俺に暴力を振るわれなくなるが……あくまで俺からはだ。その後のことはどうなるか知らないんだがなぁ……それじゃあお願いします。」
父親が言い終わると共に複数の足音が聞こえてくる。どういう事かと理解できないまま、暗闇から現れた体格の良い黒服の男たちによって二人は取り押さえられてしまう。抵抗しようとするが、力の差は歴然。あっという間に、二人は布で口を押さえられてしまう。
「んぅっ!ふぅ……!んん……」
次第に意識が遠のき、体に力が入らなくなる二人。ぼやけてきた視界の中で父親を捉える。
「次にお前らが起きる時は、主人を決める時だ。」
瞳を閉じる寸前に見た父親の姿は今まで見たことないほどの笑顔と、昔のような優しい声だった。
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