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始まりはとても一瞬で
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「澄さん........ 俺、澄さんのこと好きだ!だから付き合っ........ 」
最後まで言う前に口を塞がれた
そして澄さんは笑う
「僕に言わせてよ。僕も星のこと好きだよ.....だから、付き合ってくれますか?」
嬉しすぎて涙が零れて、大きな声では返事をできなかったけど、澄さんは俺の言ったことを理解したのだろう
自分の持っていた兎のストラップを渡して言った
「はい、これ...僕のお気に入り
君が僕が本気じゃないんじゃないかとか思いそうだから渡しておくね」
「え、えと........ 」
「僕の勝手な都合なんだけどさ、持っていてよ」
「あ、あり... がと」
そう言って澄さんと付き合い出したのは2年の夏休みくらいのことだ
今ではそれも遠い昔に感じる
たった3ヶ月前のことだが、それでも自然消滅だから仕方ないと思うしかない
澄さんは来年の春、俺達の過ごしている四っ葉高校を卒業して大学に進学する予定だ
だから受験勉強に全てが掛かっていて、俺が邪魔することは出来ない
俺はずっと澄さんに憧れてたから、たとえ一瞬でも付き合うことができて良かった
そう、憧れてたんだ
俺とは対称的なさらさらの黒髪、見るものを惹き付ける柔らかな笑顔、低めで落ち着く声
成績も優秀でどこをとっても優等生そのものだった
今、俺が持っている兎のストラップだって澄さんが作ったもので、手先も器用なんだろうと推測できる
「暇だなぁ........ 」
ついつい呟いてため息をついた
外は寒くて人がいないから落ち着く
ただ、風邪は引きやすくなるんだが........
いつも通り、校舎裏の木の下でお弁当を広げていると、隣から声がして驚いた
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