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「みんな分かったかなー?分かった人は大きな声でお返事を・・・あら・・・海くん?どうしたの?」
お話の途中でボクに気付いたあこ先生は不思議そうなお顔をする。
「…あこ先生…お話の…お邪魔…ごめんなさい…でもぼくぅ…ねっ・・ねっ・・ちゅー・・・なんとか?…分かりません…」
分からないことを聞くのはちょっと勇気がいるけれど、分からないことを分からないままにしておくことの方がもっとずっと恥ずかしいことなんだって、サンタ先生はいつも言っている。
「ああ、そうね。
熱中症っていうのは、暑い時に体が付いていけなくて色々な症状が出てしまうことを言うの。
頭がボーッとしたり、フラフラになって歩けなくなったり・・・酷いと、命に関わることもあるから気を付けないといけないのよ」
「……死んじゃうの?」
「そう。本当に酷い時はね。
だから先生、みんなにはちゃんと気を付けて欲しいの」
ねっ…ちゅー…なんとかって大変!!!
ボクはあこ先生の言葉に大慌てでぶんぶんと頭を振って頷く。
「熱中症分かってくれたかな。
じゃあ、最後に大きな声で言ってみようか?『ねっ・ちゅう・しょう』」
一言一言区切るようにはっきりと言ったあこ先生に習い、ボクも精一杯の大きな声を出す。
「…はい…『ねっ…ちゅーしよう』…です…!!」
いつもは恥ずかしくって小さな声しか出せないボクだけど、今は違うよ。
大きな声ではっきりと言ってから、頭の中で何度も何度も繰り返す。
それだけじゃまだ足りなくて、
ボクは連絡ノートにいくつもの大切な単語を書き記した。
あつい時なるびょうき。
頭ぼー、足ふらふら、
死んじゃう!!
ねっちゅーしよう。
特に大切な『ねっちゅーしよう』の下には赤い色鉛筆で、絶対に忘れないように線を引いたんだ。
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