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帰りの会の時はあんなにしっかり頭の中にも連絡ノートにも『ねっちゅーしよう』のことをメモしたつもりだったけれど、
廣瀬さんのお迎えを待っている間しょーたくんとマンガ本を読んだり、あこ先生のお料理を眺めているうちにすっかり何もかもが空っぽの真っ白けなってしまったボク。
お迎えの時間が近づくにつれ、やがて真っ白けのボクの頭の中は廣瀬さんで一杯になっていった。
・・・・・・・・早く廣瀬さんに会いたいなぁ。
柊学園のお2階に住むみんなは少し前に夜ごはんを食べてしまっている。
それを見ていたらボクのお腹の中でも食いしん坊の虫さんがきゅるきゅる忙しなく鳴き始めるけど、そんなことよりもっとずっと辛いのは廣瀬さんメーターがすっからかんに近づいていること。
廣瀬さんメーターが減ってくるとどうしても元気が出なくなって、
すっからかんになると…とうとうボクは動けなくなっちゃうんだ。
そうなってしまったら、誰に何を言われてもダメ。
どんなに大好きなうみの頭を撫で撫でしたって、ふさふさの髪の毛にほっぺをごしごししたって元気は出ない。
・・・・廣瀬さんメーターを満タンに出来るのは、やっぱり廣瀬さんしかいないんだもん。
だから、早く廣瀬さんに会いたいなぁ。
ボクはそれまで騙し騙し続けていたお絵描きをやめ、スケッチブックの真ん中にちょこんとお座りしたうみの絵の上にへたりと突っ伏してしまった。
そろそろ、廣瀬さんメーターがすっからかんになっちゃうよ。
ねむねむの時みたいにテーブルの上にお顔を載せたまま右手の猫さん腕時計を覗く。
・・・・もうとっくにいつものお迎えの時間は過ぎてるのに。
廣瀬さん、ボクのお迎え忘れちゃったのかな?
それとも、お迎えに来るのが面倒くさくなっちゃったとか?
ううん…そんなはずないもんっ。
『めんどくせ~』が廣瀬さんの口癖だけど、今まで1度だってお迎えを面倒くさいなんて言ったことはなかったし、忘れたことだってなかった。
それどころかどんなに疲れていたってねむねむだって、ごはんの準備や朝のお洗濯をサボった事だってないんだ。
・・・だからきっと、もう少しでお迎えに来てくれる…はず。
ボクは唇をきゅっと噛んで、かちかち小さな音を立てゆっくりと進む猫さん腕時計の針を眺める。
「あれー、海くん眠くなっちゃったかな?」
その時ぼんやりしていたボクに突然後ろから声がかかった。
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