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廣瀬side
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「…ボク…いい子…してました……あ…でもぉ…ボク…サンタ先生…ちょぴっとだけ…怒られました…」
「園長先生に怒られた?おまえが??・・・珍しいじゃん。何やったんだよ」
海は真っ赤な薄い唇をツンと尖らせちょっと拗ねたみたいな返事を返す。
「…今日…みんなで背ぇ…計りました…両手両足、ピンして計ります…ボク…いっぱいいっぱいお胸の中で大きくなぁれ…お願いしながら計りました…お屋根までくっつくくらい大きくなぁれ…お願いしました……そしたら・・・」
「・・・そしたら?」
「……背伸びしちゃダメですよ…サンタ先生に…言われました…」
ボク…背伸びしてないのに・・・まだどこか不満そうな瞳に思わず笑みが漏れてしまう。
心ン中で『身長が伸びていますように』と真剣に祈るあまり、無意識に背伸びをしていた海の姿が易々と目に浮かぶ。
ズルをする気なんてサラサラなかった本人にとっては不本意なのかもしれねーけど・・・
いくら仏様みたいに寛大な園長でも注意しないわけにはいかないだろう。
たとえそれが純真な祈り故の行動だとしても。
「・・・でー?肝心の身長は伸びてたのか?」
怪しくなった会話の雲行きを修正すべき言った俺の質問を聞くや否や、海は途端に満面の笑みを浮かべる。
・・・・・・・クッソ・・・可愛いーじゃねーか・・・
可憐な花が控えめに咲き誇るようなそんな笑顔に暫し見惚れた俺の目の前に右手がニョッキリ突き出され、
そのまま勢い良くパッと小さな手のひらが開く。
「…5…です…5…伸びてました…」
「5って、5センチ?!」
「…5…センチ…?…えっとぉ…うんとぉ…5…5……」
左に首が傾き、いつもの癖で海が悩んでいるのが分かる。
あ~・・・『5センチ』なわけねーか。
去年買ってやった服はどれもまだ現役バリバリ。
柊に入ってから5センチ伸びてたら多少は丈も短くなってる筈。
「・・・・5ミリ、か」
「…あっ…5ミリです。
…ボク…5ミリ…お兄さん…なってました!!」
うん・・・まぁーアレだよね。
俺が中学の頃は半年で軽く5センチは伸びてたけど・・・純朴でちょっとマヌケなうちの仔猫がたかが5ミリで満足してるなら、それはそれでいっか。
「そっかそっか、5ミリ伸びてたんだ?良かったじゃんっ」
「…はい…」
にっこにこの笑顔に気押されながら、柔らかな髪をワシャワシャと撫でてやる。
・・・それにしても、たったの5ミリかよ。
まだまだ平均身長には届きそうもね~わ。
ってか、海がやっと1センチ伸びる頃には平均身長も当然吊り上がってるだろーから、一生平均身長になんて届かねんじゃね?
こりゃもっともっと食わさねーと・・・
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