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あったかくって柔らかい唇ではむはむされて、ボクはたちまち頭だけじゃなく体全部がぼーっとしてくる。
・・・ボク夢見てるのかな?
大切なお話の最中に突然ちゅーするなんて変だよね?
ぼーっとした頭の中で、やっとズボンの下の自分の太ももをつねってみることを思いつく。
あのね、こうすると夢の中にいるのかそうじゃないのかが、はっきりと分かるんだって。
ぎゅっと握りしめていた手のひらをパーにして、思いっきり・・・強く・・・自分の足を洋服の上からつねってみる。
・・・・・・・・・い、痛い。
やっぱりこれは夢じゃないんだ!!
そう分かった途端ぼーっとしていた頭も体も一気にあっつくなって、目を瞑ることさえ出来ずに今度はボクの方がかっちんこちんロボットになってしまう。
あまりにも近すぎてぼんやりしか見えない廣瀬さんのお顔。
晴れた日のお日様みたいな廣瀬さんの香り。
そっとはむはむする廣瀬さんの柔らかいお口の感触。
嬉しいと恥ずかしいと気持ちぃとびっくりと・・・色んなものがぐちゃぐちゃに混ざり合った不思議な気持ち。
恥ずかしいのに気持ちぃくって、
恥ずかしくてどきどきなのに、
でもずっとずーっとそうしていたくって。
ボクはおめめを大きく見開いたまま、ただじーっとしていた。
はむはむされてるお口も、お胸の中も両方くすぐったい。
ちゅーって不思議。
触れたお口から廣瀬さんがどんどん流れ込んで、とうとうお胸の中にまで入ってきちゃったみたい。
だからきっと、お胸の中もこんなにくすぐったいんだよね?
最後にいたずらするみたいにそっとボクの唇を噛んでから、
ぺろり…熱いベロでひと舐めして廣瀬さんのお顔は離れていった。
「・・・続きは家でゆっくりな」
くしゃりと優しく髪を撫でられ、はっとしたボクは真っ赤なお顔を慌てて隠す。
どきどきどきどき・・・・・
ボクの心臓は全速力でかけっこした時みたいに忙しく動いている。
お胸を突き破って飛び出して来ちゃうかも。
「……ちゅっ…ちゅっ…ちゅー……廣瀬さん…ちゅー、しましたぁ…」
「ばか!!声がでけーって!!!」
ボクの声にびっくりした廣瀬さんは慌てたようにきょろきょろとお部屋の中を見回し、誰も居ないことを確認するとやっと安心したようにふぅ~っと長い息を吐いた。
だけど、びっくりしたのはボクの方だよ。
どうして急にちゅーなんてしたんだろ?
お外ではちゅーしちゃメッのお約束、忘れるはずないよね?
もしかしたら、お腹が空きすぎて間違ってボクのお口、食べちゃったのかな?
いつもボクのお口を赤くって小さくってさくらんぼみたいって言うんだもん。
・・・・・うん、きっとそうかもしれない。
ボクは両方の指の間からちらりと廣瀬さんのお顔を覗く。
「……廣瀬さん…ボクのお口…食べた…お腹いっぱい…なった…?」
「・・・なんだよ、それ。
ちゅーしよって誘ってきたのはおまえだろ」
「…ちゅーしよ?…誘う…」
誘うって、『みーのーりーくん、しりとりしてあーそーぼー』って言ったりすることだよね?
「…誘う…ボクしてません……」
あれはたしか・・・そう、ねっちゅうしようの大事な大事なお話をしていた時のこと。
突然廣瀬さんがボクにちゅー、しちゃったんだ。
少しだけ涼しくなっていたお顔がまたあっつくなってしまい、ボクは両方の手のひらで挟むようにして自分のほっぺを包み込んだ。
風邪ひきさんの時みたいに、ほっぺがすごぉくあっつい。
「…ボク…ねっちゅうしようの大事なお話…しただけ…」
「だから目ぇウルウルさせて、悩ましげに俺を誘ってきたじゃん」
おめめ…うるうる?
なやましーげ?
聞き慣れない言葉にお首が左に傾いた頃、ボクははっと気が付いた。
─────きっと廣瀬さんは『ねっちゅうしよう』を知らないんだ!!
「…ねっちゅうしよう…とっても怖い怖い病気…です。
足ふらふら…頭ぼー…なって……死んじゃうこと…あります…だから…麦わらのお帽子…麦茶の入った水筒…絶対忘れちゃメッ…廣瀬さん…分かりましたか?」
ボクはあこ先生に習ったとおり、繰り返し言う。
うふふ…ボク先生みたい。
ぽかんとお口を開け黙ってボクのお話を聞いていた廣瀬さんだったけれど、少しすると何かに気づいたように大きくおめめをこじ開けた。
「・・・もしかして、おまえが言いたかったのって『熱中症』のこと?」
「…はい…ねっちゅうしよう、です…」
だから何度もそう言ってるのに。
あぁ~と頷いてから、すぐになんだ~とがっかりして、廣瀬さんは最後に困ったように笑う。
ぽりぽりと恥ずかしそうに鼻のてっぺんを掻く廣瀬さんは、いつものきりりとした廣瀬さんとは違っていたけれど、でもやっぱりものすごくかっこいい。
「だよな~。おまえが自分から誘うなんてあり得ないよな・・・・・」
・・・どうしたんだろう。
廣瀬さんちょっぴり落ち込んでるみたい。
なんで落ち込んでいるのかは分からないけれど、いつも自分がそうしてもらうみたいに廣瀬さんの頭を撫でてあげるか迷っていると、玄関に続くドアとは逆の方向から突然声が聞こえた。
「あれ~、廣瀬さん帰ってたんだー。だったら声かけてくれればいいのに、水くさいなぁ」
奥の部屋からひょっこりお顔を覗かせたのは大きい先生。
どっきん。
やっと静かになりかけていた心臓が大きくジャンプする。
・・・・・・大きい先生にちゅー見つかっちゃったかな?
急にやって来た大きい先生に、今度はボクと廣瀬さん2人一緒にかっちんこちんロボットに変身したのだった。
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