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「お疲れさまで~すっ」
大きい先生はにこにこにこりんの笑顔でお部屋の中に入ってきたかと思ったら、迷わずに廣瀬さんのお隣に座ってしまう。
廣瀬さんを挟んでにこりん笑顔の大きい先生と、ロボットのボク。
どきどきのきんちょーで固まってしまったボクのお隣で、廣瀬さんはすぐに笑顔に変わり大きい先生に手を挙げて見せた。
「・・・悪かったね、こんな夜遅くまで海を預かってもらって」
「いえいえ、海くんの1人や2人預かるくらいどーってことないですよ。いつでも大歓迎です」
廣瀬さんを真っ直ぐに見つめ、大きい先生のにこりん笑顔がそれまで以上にぱっと輝く。
海くんの1人や2人って…ボクは1人しかいないのに・・・大きい先生ったら変なの。
でも、いつもと変わらない大きい先生に、ボクはちょぴっとだけ安心する。
よかったぁ。
ちゅーは見られてなかったみたい。
ちゅー・・・?
ちゅー・・・
ちゅー・・・!!
廣瀬さんに柔らかいお口で何度もはむはむされたこと、
ぺろり、そっとお口を舐められたこと、
ついさっきのちゅーを思い出して、お顔がまたあっつくなってしまう。
はむはむされたお口をそーっと指先で触ってみたらちょっぴり濡れていて…
それはきっと廣瀬さんに食べられちゃったからだと思うんだけど。
『続きは家でゆっくりな』そう言った時の廣瀬さんの声、とってもとってもかっこよかったなぁ。
いつもよりもっと優しくって、ちょっぴりまじめで。
『愛してる』って言ってくれる時と同じ声だった。
そんな事を考えていると、お顔だけじゃなく体中があっというまにあっつくなっていく。
あつくって、頭の中がぼーっとして、全身がぽわわんってなってる。
・・・大変、これって本当のねっちゅうしようかも。
「・・・あれ?海くんどーしたー?顔赤いけど、この部屋暑い?」
大きい先生がテーブルに両手をつき身を乗り出しボクを覗きこむ。
ぶるるん、慌ててお顔を振って自分のほっぺを触ってみたら・・・ほんと、すっごくあっつい。
「へーきへーき、こいつの暑がりは今に始まった事じゃねーから、な、海?」
「…あ……はい…です…」
今は全然暑くなんてないんだけど、ちゅーのお話はないしょのお話だから大きい先生には言えないんだ。
ボクはほっぺを押さえたまま大きい先生にこっくりこっくり頷いてみせる。
「ふ~ん、ならいいんだけど・・・
そーだ、2人でどんな話してたの?先生にも教えてよ」
大きい先生はいつもボクと廣瀬さんが仲良くお話していると、こうしてすぐに何のお話をしていたのか聞いてくるんだ。
そのたびにしょーたくんに『葛西に廣瀬さん盗られないように気をつけろよー』って言われるの。
そんな時のしょーたくんはね、いつもと違ってなんだか大真面目なお顔をしているんだよ。
しょーたくんを大きい先生は睨みつけ、
廣瀬さんは笑って見ているだけなんだけど・・・
やっぱり仲間外れは可哀想だから、ボクはいっつもどんなお話をしていたか大きい先生にも教えてあげるんだ。
でもね・・・今日はどうしよう。
だって、ちゅーのことは絶対ないしょのお話だから。
「…お話…えっとぉ…うんとぉ…」
「・・・別にたいした話しなんてしてねーよ。な、海?」
困ってもじもじしていたボクを廣瀬さんは笑いながらも助けてくれる。
「え~、教えてくれたっていーじゃないですかー・・・俺だけのけ者なんて傷つくなぁ」
「・・・あんた、ガキかよ」
呆れたとでも言うように腕組みをして廣瀬さんはお隣に座った大きい先生を睨んでいるけれど、
しゅんとして大きな背中を丸めてしまった大きい先生がちょっぴり可哀想で、ボクは哀しい気持ちになってしまう。
だって大きい先生のその姿は『いくじなしのクマ太』っていう絵本に出て来た、大きなクマさんにそっくりだったんだもん・・・
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