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高校 1年生 1
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強いというウワサだけで、命知らずは挑みに来る。
「千里 奈都(せんり なつ)!覚悟しろ!!」
奈都は、ため息をついた。
高校生になったのに、中学の時と同じく喧嘩をふっかけられる。
しかも、相手は弱い。
普通の人からしたら、もしかしたら強い人達なのかも知れないが、奈都には相手にするのも申し訳ないぐらい弱かった。
(まぁ、普通の人は殴り合いの喧嘩はしないな)
声の主の方を見た。
ネクタイの色からして、上級生だが名前は知らない。
(5人か…)
奈都がジーッと見回すと、5人の頬が少し赤くなる。
「呼んじゃったよ!」
「ど、どうする?」
「っていうか…」
「か、可愛くね?」
5人でコソコソと小声で話しているので、奈都には聞こえていない。
(なんだ?最近のやつらは、相談しないと手が出ねーのか?)
いまいちわからない態度に呆れて、何も無かったかのように自分の教室に帰ろうとした。
「ま、待て~!」
呼び止められて、仕方なく止まる。
「…何ですか?先輩」
学校というものは縦社会には厳しいから一応先輩の顔をたてないと、そんな事を頭の片隅で考えていた。
「か、覚悟しろって言っただろ!」
「そうだ!」
(喧嘩は、男の勲章というやつが流行っているのか?)
「覚悟しました。次は?」
覚悟とは具体的に何かとは、わからない。
何となく言うと、相手はその事をわかっていないけど頷いた。
「よ、よし!行くぞ!!」
「おぉぉぉっ!!!」
5人が一斉に、奈都に向かってくる。
(掛け声と共にって、運動会か何かかな?)
先輩の顔は、たててあげたはずだ。
そう思いながら、向かってくる上級生達の拳をヒラリッとかわす。
「おのれ~!」
「…」
どうしたものか…と思っていると、1人のよろけた生徒の足に他の生徒が躓き、更にもう一人が…と呆気なく5人が床に転がった。
「わぁっ!」
「危なっ!」
「ぐわっ!」
「痛っ!!」
「ち、ちょ!」
派手な音か鳴った。
(…なんだコレ)
手応えはまったくなく、目の前で人が倒れていったのだった。
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