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高校 1年生 2
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そう思っていると、教室からクラスメートが出てくる。
「奈都!また、屍を増やしたの?」
「颯人…コレは俺がやった訳じゃない」
一部始終を見ていない人がこの大惨事を見たら、奈都が仕留めた様に見える。
「奈都が歩けば後ろは屍だらけって、入学式からずっとでしょ?」
「なんだよ、そのキャッチフレーズ…」
同じクラスで親友の如月颯人は、屍になっている上級生5人をチラッ見てから、親友の愁に声をかける。
「愁、この人達のクラスと名前ってわかる?」
「先輩?わかると思う」
ひょいっと、ドアから別の顔が出てきた。
柏原愁は病気ではないのに、このカラフルな世界が白黒でしか見えないらしい。
日常は何も心配のいらないレベルでの生活が出来るから、本人からのカミングアウトがなければ全くわからなかった。
親友になったから、愁は教えてくれた。
得意なのは、暗記と習字。
本人曰く、『教科書の文字が黒色だから』長時間見ていても苦にならないらしい。
(だから、成績トップでこの高校に入れたのか…)
あまり、勉強の出来ない奈都にしてみたら愁は『神様、仏様』と崇めたくなるくらい勉強が出来る。
そして教え方も上手いので、中学の勉強から見てもらっているのだった。
「メモして。先生に突き出してやろう」
あまりの奈都だけの集中攻撃に、痺れを切らしている颯人は親友のピンチに容赦がない。
「奈都も奈都だよ。こんなのいちいち相手にするから、変なのに目を付けられるんだよ」
「相手にしてないんだけどな…」
どういうわけなのか、勝手に湧いてくると言うべきなのか。
知らない相手に、喧嘩を持ちかけられすぎている気はしていた。
「…元凶は、先生でしょ?」
颯人がそう言うと、タイミング良く遠くから声が聞こえた。
「奈っちゃん~!」
爽やかに手を振りながら、走ってくる先生の姿。
それを見て、奈都が大きな声で言った。
「先生が、廊下を走るな!!!」
…正確には、怒鳴った。
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