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出逢い 1
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奈都の母親は女の子が欲しかった。
初めての子は男の子。
それから11年、全く子供が出来なくて諦めかけていた時に奈都が産まれた。
奈都は元々が可愛い顔立ちだったので、普通にスカートやワンピースを着せても違和感がなかった。
しかし、奈都は今年で5歳。
何となくそういう格好をさせられている事を嫌だなと思っていたが、不満が募っていた。
(…今日も、ノブに追いかけられた)
ノブとは、同級生の信彦の事だった。
身長が小さく泣き虫な自分をバカにし、奈都の嫌いな虫を奈都に投げつけるガキ大将。
そんな事をするので当然、ノブは大嫌いだ。
『男の癖に、女みたいに泣きやがって!』
そんなノブに、こんな格好をしているとバレた日には、どんな屈辱が待っているかはわからないが、すごく嫌だった。
母に逆らえない奈都は、家出を考えていた。
家から出るのを誰にも見られなければ、家出の決行の日にしようとしていたので、お金も持っていない。
近所のおばさんに見つかったり、途中の道にいる犬に吠えられたりと邪魔ばかりされて、なかなか成功した試しが今までなかった。
『今日こそは!』と腹を決めて、いつも着せられているフリフリのワンピースで玄関を出た。
キョロキョロと辺りを見回す。
(誰もいない!)
第一関門、突破。
あとは奈都が通ると、よく吠える大きな犬が問題だ。
何をしたわけでもないのに、奈都を見ると吠える。
奈都から、いじめられっ子のにおいがプンプンするのか、ビクビクする奈都が楽しいらしい。
そんな事なんて奈都にわかるわけもないから、いつも大きな声で吠えられる。
(今日は、コレがあるもん!)
ゴソゴソとポッケから、奈都の父のビールのおつまみのサラミを取り出した
(…っ、えいっ!)
奈都は目を瞑りながら投げているので、サラミを犬のいない明後日の方向に投げてた。
だが匂いが強烈なので、大きな犬はサラミを投げた方向に行く。
(今だ!)
奈都は走った。
ここから先は、自分1人では行ったことのない道。
冒険感覚で奈都は、ワクワクしながら1人で歩いていった。
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