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出逢い 3
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無我夢中で走っていた。
(今のうちに、横道に入ろ)
十分ノブを引き離したはずだと、横道に入る。
「つ、疲れた~!」
もう一本道を曲がってから、後ろをチラッと見た。
ノブが来ている気配はない。
奈都はホッとしたが、引き返す勇気がないので曲がった道を進む。
進んでいくと、何やら話し声が聞こえる。
心細くなり、声の方に行くと罵声が聞こえた。
「てめぇ~!いつもいつも、拳をかわしやがって!」
「タダじゃおかねーからな!」
罵声を浴びせている数人に囲まれている1人の人が、ため息をついた。
「同じ台詞は聞き飽きた。もっと言うことあるんじゃないのか?」
「うるせー!」
「仲間の仇だ!!」
一斉に1人に、多勢が向かっていった。
その1人がスッと軽く避けると、仲間同士でぶつかり合っている光景に、奈都はキラキラと目を輝かせた。
(…すごいっ!)
そして1度も手を出すことなく、次々と勝手に人が倒れていった。
「ク、クソ~!」
そう言った人と、奈都は目があってしまう。
(あ…)
ダッシュでこちらに向かって来られ、ひょいっと持ち上げられてしまった。
「これまでだったな!コイツに怪我をさせたくなかったら…」
奈都を人質にして、威嚇でもしようとしたのだろうが、逆にやってはいけなかったらしい。
「…関係ねー奴を人質にするのか!覚悟は出来てんだろうな、テメェ!!」
今まで気だるそうにして相手にしていたのに、今では目がギラギラしていた。
奈都を抱えていた人が、ビクッと震え出す。
「ま、待て…ほら返してやるよ」
物でも扱うように、奈都をポイッと投げた。
「やっ!」
そのまま地面に叩き落とされると思った奈都は、咄嗟に身を丸くした。
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