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バレンタイン 1 ~朔馬&奈都 高校編~
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恋人にチョコをあげる。
そんなイベントの日に奈都はカレンダーと、にらめっこをしていた。
(…そもそも、バレンタインデーに渡すのかホワイトデーに渡すのかが、わからない)
女の子がチョコを渡すバレンタインデーと、主流になっている世の中に少し不満がある。
(女の子は、いいよな。そんな事を考えずに、好きな人にチョコを渡すことが出来て)
小さい頃は、恥ずかしくなかったのでチョコを渡せることが出来た。
しかし、恥ずかしがり屋になってしまった奈都は、朔馬にチョコを渡すことが恥ずかしくなって、渡すことが出来なくなった。
(去年も一昨年も、朔馬から貰ったんだけど…)
朔馬も、奈都には『ホワイトデーのお返しとか、気にしなくていいよ。奈っちゃんが、いてくれるだけで嬉しいから』と言われているが、何とか奈都はホワイトデーにはお返しをしていた。
ホワイトデーだと、売り場に男性が若干多いので何とか買えるのだった。
料理に関しては意外に不器用なので、自分で作るという考えも教えてもらうという考えも無い。
(いや、むしろ食べれる物が作れないんだけど)
奈都に甘い家族さえも、奈都には台所に立たせられないと言わせるぐらい、ひどい腕前なのだ。
同じ順番で一緒に作っていても、なぜか奈都の料理は生ゴミが出来上がるという恐ろしい特技(?)の持ち主。
なので、今年こそは市販のチョコを買おうと思っていたのだが風紀委員として忙しくて、なかなか買いに行けなかった。
ようやく時間が出来て売り場に行っても、女性率の高さに近づくことも出来ずに帰って来てしまったのだった。
そんなわけで手元にはもちろんチョコは無く、ガッカリしていた。
(…朔馬に嫌われたら、どうしよう…)
つい、そんな事を考えてしまう。
自分に厳しく生きようと決めたから、なかなか頑固な性格なのは自分でもわかっていた。
それで朔馬が教師になった時から、奈都自身が決めたことがある。
朔馬が教師として赴任した、高校に行くこと。
朔馬は恋人だが、みんなの前では『先生』として呼ぶこと。
甘えたいのに恥ずかしくて、素っ気ない態度になっている気がする。
(考えれば考える程、俺…恋人として駄目かも)
そう思っていると、勢いよく部屋のドアが叩かれた。
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