アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
バレンタイン 3 ~朔馬&奈都 高校編~
-
振り向くと、朔馬がいた。
「お開き、だよな?」
にこっと顔はわらっているが、目は笑っていない。
「なあ?」
更に、もう一度言う。
殺気も出ている朔馬に、騒いでいた男子が息を飲んだ。
「は、はいっ!」
「朔馬、わかってるって~」
ビクビクしながら言う男子に、朔馬はため息をついた。
「何の騒ぎだよ!コレ」
1人の生徒が、大声を上げた。
「…ノブ」
奈都は、声の主の名前を呼んだ。
「また、ブスの周りかよ」
「また、ブスって言う」
幼稚園からの腐れ縁の信彦は、奈都の顔を見るなり『ブス』と昔から呼んでいた。
信彦は奈都が好きだが、素直じゃない。
だが、気を引こうとして毎回突っかかってきていた。
朔馬が、奈都と信彦の間に入る。
「お前、本当に懲りないよな」
信彦がなぜ、奈都のことをそう呼ぶのか知っている朔馬は信彦を見る。
「う、うるせー!」
当の本人の奈都に伝わっていないので、信彦は吠えた。
「じゃあノブ、鼻血が出てる奴を保健室に連れてってやってくれ」
「はあ?!なんで俺なんだよ!」
朔馬は、笑みを浮かべながら言った。
「困ってる人を助けるなんて、良い奴だな!奈っちゃん、ノブが運んでくれるって」
「本当に!ノブっ、ありがとう!」
そう言って、奈都がノブの両手を掴んだ。
「な、な、なんてことねーよ!」
あからさまに動揺している信彦。
朔馬は、スッと奈都の手を離させた。
「奈っちゃんは、殴った奴と一緒に状況の説明ね」
「わかった」
頷く奈都の手には、逃げられないように殴った相手の首根っこを瞬時に握ったのだった。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
15 / 22