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バレンタイン 7 ~朔馬&奈都 高校編~
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動揺で校内を走って一周回ってきた奈都は、愁と咲のがいる生徒会室をノックした。
「はい」
ガチャッとドアの開く音と共に、すぐに愁が出てきた。
「奈都?熱があるの?」
「な、無い!」
自分がどんな顔をしているのかがわからない。
だが、奈都はあからさまに自分がおかしいのがわかっているので、慌てて両手で自分の顔を叩いた。
乾いた大きな音が、廊下に響く。
「奈都?!」
あまりの急な出来事に、愁は奈都の両手を咄嗟に掴んだ。
「愁?誰が来たの?」
ひょこっと顔を出した咲が、この状況を見て驚いた。
「え?愁…颯人先輩じゃなくて、奈っちゃん先輩?」
「えっ?」
咲が何を言っているのか、わからない奈都が首を傾げた。
「咲、違うよ」
愁が笑いながら言うが、咲は話を続けた。
「奈っちゃん先輩でも僕、許せるよ!」
「…咲、俺…泣いてもいい?」
「いや、何の話だよ」
ツッコミ不在の2人に挟まれて、奈都は困惑してしまう。
「それよりも奈都、いきなり頬を叩くのは良くないよ」
「奈っちゃん先輩!頬っぺた赤いよ!アイスノンあるから早く入って!!」
そして何より、自分の事よりも相手を気遣ってしまう2人だから奈都の事を構う。
「…ほんと、似た者同士だよな」
笑いながら言うが、この2人の耳には届いていない。
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