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バレンタイン 8 ~朔馬&奈都 高校編~
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咲が冷凍庫からアイスノンを持って来てくれて、愁が包むタオルを持って来てくれてた。
有無を言わせずに奈都の頬に、それを当てられる。
「奈都、大丈夫?」
「痛いですか?保健室に行った方が…」
2人の悪いところは、心配性すぎるところだ。
ただ叩いただけなのに、そのうち病院だの救急車だのとか言いかねない。
「冷やせばいいって。大袈裟だって」
「でも…」
「いや、膨れ上がったりでもしたら…」
「いやいや、大丈夫だから!それよりも、イベントの司会、俺になったから」
話を変えないと本当に大変なことになると思った奈都は、大きな声で話す。
「茉莉先生は?…あ、颯人?」
愁は何となく、わかって答えた。
「そう。無理だって」
「え?茉莉ちゃん先生と颯人先輩が、どうしたの?」
状況のわからない咲が首を傾げるが、愁は何と言っていいのか困る。
「…えっと」
「イベントに参加したいから、だって」
「あ!告白タイムあるから!」
「そうそう」
本人達から聞いた話だと、7~8年もお互いが両思いだったのに相手に想いを伝えずに、この高校で再会した…らしい。
その長年の時間を埋めようと、あの手この手で恋人としての時間を楽しんでいるわけなのだった。
(ある意味、羨ましい)
恋人に何をしたら喜んでもらえるのかを、わかっているから。
たぶん、朔馬は奈都のすることに対して奈都本人に不満は言わないのはわかっている。
(…でも)
恥ずかしいが、『朔馬に求められたい』という気持ちは人一倍どうしたら、わかってもらえるのかとか考えてしまう。
「そうだ!奈っちゃん先輩、忙しくてチョコレート買えなかったんじゃないですか?」
咲が奈都に聞く。
「っ!まぁ…うん」
「天ちゃんが『組み手をお願いした時に、上の空だった』って言ってたから!」
「天が?」
自分では気にしないと思っていても、顔に出ていたらしい。
「あのっ、もし良かったら余っちゃったチョコレート要りませんか?」
「余ってるの?!」
「はい」
そう言うと、咲はゴソゴソと封が開いて半分使ったチョコレートの板を出した。
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