アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
1
-
今日も俺は知り合いが働いてるバーへ仕事帰りに寄った。
明日は休みだから今日は…ハメ外して飲んでもいいかもしれない。
「いらっしゃいませ」
いつものように優しい声で客を出迎えてくれるボーイさん。
ここに入ってまだ2週間しか経ってないから随分若く感じる。
俺もここの常連で…4年くらいはここに来てる。
実はマスターと仲が良くて、大学の時からしょっちゅうここに来るようになった。
「カウンターあいてる?」
「はい。翼さんがちゃんと前田さんの席を取って置いてましたよ。ではカウンターまでご案内します」
もはや俺の指定席になりかけてるカウンター席のど真ん中。
俺がここを好んで座るのは、翼くん…ここのバーテンダーと喋りやすい位置になるからだ。
「いらっしゃい」
「俺のために席取っといてくれたんだってね」
「そう、俺イケメンだからこういう事普通にできちゃうんだよ。どう?惚れた?」
「自分でそんな事言っちゃう人は嫌かな」
「ははっ、そりゃさーせん。今日はウィスキーロック?」
「うん。お願い」
翼くんは俺が高校ん時、塾で一緒になった先輩だ。不登校で留年しちゃって、親に無理矢理行かされたんだって。
最初は全く気が合わない人だったけど、大学になってこのバーに寄るようになってから、バーテンダーとして働いてる翼くんと再び会えて、そこから初めて仲良くなったと思う。
流石留年しただけあって不真面目丸出しだけど、そんな所が逆に話しやすい対象になったんだと思う。
「はい、どうぞ」
頼んだウィスキーはグラスで出してくれて、俺がロックなんて普通な顔して飲めないの知ってるのに水も出してくれないからやっぱり翼くんは意地悪だ。
グラスに口を付けて、先に匂いを嗅いでみる。
これはなんとなく俺の癖だ。
「やっぱ強そう」
そして少しだけ飲み干す。
「ん…」
独特の匂いと、辛さと苦味。
俺にはやっぱり甘めなカクテルの方が口に合うんだけど、それじゃああんまり酔えないから。
「どう?」
「うん。今日は気持ち良く酔える気がするよ」
空いてる隣の席に手を置いて、まだ一口しか呑んでないのに、ズンと自分の弱い部分が出てきそうになった。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
2 / 11