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セックスレスにもなったりはしなかった。
あまり会えなくなったけど、会えば一緒に飲んだり、映画見たり、時にはデートしたり、そして必ずってほどセックスはしていた。
長年付き合っててもやっぱりお互いの温もりが欲しくて、触って、触られて、それが気持ち良かった。
事が終わった後に何気ない会話をしたり、たまには疲れちゃってそのまま寝ちゃったり、そんな暖かい関係が大好きだった。
『来週会える?』
『ごめんね、来週はちょっと無理かもしれないんだ…』
『残念。じゃあ今日は存分に鳴海を感じ取ってやる』
『なにそれ』
俺が仕事で忙しくて会えない週もありながら、それでも次に会う時にはもっと沢山触れ合って、俺たち互いに不安には遠い関係であった。
あの人が無事医者としてどこかの大学病院に勤め始め、今まで週一で会ってたのもどんどん減っていって…
でもそれでも寂しいとかは思わなかった。
あの人も同じだと思う。
寂しい関係になんか、ならなかった。
月に何回かくらいに会う回数は減ったけど、それでも会えばいつもと変わらなくて、俺はそれでも楽しかった。
あの人も、同じだと思う。
会えないから別れるなんて事、俺たちの間には絶対無いと…
そう信じてた。
「おにーさん」
「え…?俺?」
「うん!」
知らない間にグラスは空になってて、翼くんはまだ戻ってきてないから、俺多分結構速いペースで飲んでるかもしれない。
「ちょっと、おにーさん大丈夫??俺の事見えてるよね??」
「え、あ、ごめんごめん、俺に何の用かな?」
ぼーっとしてたら空いてる隣に座り込んできて、何故だか俺に絡んでくるのは…見た目からして若いから多分大学生くらいの男の子だ。
なんかやけにニヤニヤしてるっていうかニコニコしてるっていうか、見た目から元気溢れる子みたいだから、ちょっと酔い始めてきた俺にはハードルが高い相手だ。
「おにーさんってさ、コッチ側の人なんだって聴いたけど?」
「こっちって?」
「だーかーらー、男が好きなんでしょ?」
ただ飲みに付き合うとかじゃなくて、それはまさかのナンパ的なものだった。
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