アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
6
-
一学期はあっという間に終わり、高校生活初めての陸上漬けの夏休みが始まった。
合宿は八月の頭から一週間。
それでまでも休みは週一日の予定だ。
「秋月おはよー!」
朝七時半、バス停から学校に向かう途中、セミの大合唱に負けない元気な声がして振り返る。
「おはようございます緒方さん」
二人で並んで歩き出す。
「成績どうだった?」
「まぁ普通でしたよ」
「秋月の普通ってどれくらい?平均いくつ?」
「8.7とかだったと思います」
「8.7?!秋月って天才なの?!」
何かから身を守るように両手を構えた謎のポーズで、緒方さんが固まった。
「大げさすぎます。早く行かないと遅刻しますよ」
「おお!そうだな!」
また並んで歩き出す。
緒方さんはずっと、8.7はヤベーな…とか、俺も授業中起きてはいるはずなんだけどな…とか、ブツブツとひとり言を繰り返している。
「緒方ー秋月ー、おはー」
校門の少し手前で向かいからやって来た山梨さんが手を上げた。
「おはようございます」
「おー!山梨はよーっす!」
三人で部室へ向かいL字を歩く。
「秋月バスだったよな?緒方は徒歩だろ?なんで朝から一緒?」
「ああ、俺の使ってるバス停と緒方さんちが近いので」
なるほど、と山梨さんは軽く首を縦に振った。
「ねみぃーよなぁ、朝から秋月も大変だな」
「なんで?」
「まぁ慣れました」
「えっシカト?!てか会話が成立してるのなんで?!」
「さぁ?」
カラカラと山梨さんが笑った。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
7 / 1191