アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
11
-
自信は僅か数秒後に、そして一瞬にして木っ端微塵に砕かれた。
それは一緒に過ごしたこの一年で、いや、生きてきた16年間で最も冷静さを欠いた瞬間だったと思う。
「だから…好きなんだけど…」
顔を赤らめてゴニョゴニョと言葉を濁す、身長180cmを超えた先輩を見つめる事しか出来ない。
「……それはどういう…」
「どういうとかじゃねぇよ。好きなの!秋月が!」
「……えっと…」
(え?どういうことだ?好き?好きってどういう?いや、確かに緒方さんは付き合ってと言った。そういう意味の好意?)
「ダメ?」
ちらりと向けられた縋るような目に思わずたじろぐ。
(ダ…ダメなのか?何がダメなんだ。
緒方さんは俺を恋愛的な意味で好きだと言ってるのか?…いや俺どっから見ても男だよな?まさか勘違いしてるのか?)
聞いてみる。
「…俺、男ですけど」
「知ってるし!」
(ですよね。さすがに馬鹿にし過ぎたか。すみません緒方さん)
冷静ではなかった。
もうどうしようもないほどに。
もう確実に絶対に。
自分にノリツッコミをしたのは、後にも先にもこの一回のみだ。
完璧に思考回路が混乱していて、どこに重点を置いて考えればいいのかすら分かっていない事が自分で分かる。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
12 / 1191