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「まぁいいや」
「……はい?」
「返事は別に急がないし、ただ伝えたくて抑えきれなくなっちゃっただけだけで…でもちゃんと本気だから!考えてくれ!」
そう言っていつもの明るい笑顔を向けられたのなら、もう少し平常心を取り戻せたのかもしれない。
耳まで真っ赤にして、思わず田沼さん並に乙女か!とツッコミを入れたくなるような緊張した顔を見て、自分のこんがらがった思考回路は考える事を放棄してしまった。
高校二年生になった。
変わらず陸上部に所属している。
そして生まれた時から変わらず正真正銘の男だ。
先程、恐らく告白をしてきたのであろう緒方さんも正真正銘の男。
直情型である緒方さんと、冷めた自分。
傍から見るとそのやり取りは漫才のように見えるらしく、何かとペア扱いされる事も多かった。
正直、正直言うと面倒臭く感じる時もある。
それでも、まるで翼があるかのように跳ぶ姿が凄く綺麗で、憧れも尊敬もあってなんやかんやと一緒にいる事が多い。
その先輩が、自分を好きだと言う。
いつもの訳の分からない発言の一環だと言われれば、むしろその方が納得がいくのはおかしな事ではない。
と思う。
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