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中学一年の体育で高跳びの授業があった。
空の色がまだ柔らかい、春の日だった。
誰もが初めての高跳び。
小太りの体育教師も口では説明出来ても、お手本を見せるような事はしない。
遊びのような授業。
自分の番が回ってくる。
もちろん高跳びなんて初めてだ。
テレビで幾度か見た事あるそのフォーム。
見様見真似で背面跳びをしてみる。
たいした高さのないバーは、少しのジャンプで軽々と越えることができ、そのままぽすんとマットに落ちた。
なんら面白いものではない。
少しずつバーは高くなっていく。
それにつれて足や身体に引っかかり、バーを落とすクラスメイトが増えていく。
高さがどのくらいになった時だろうか。
気づけばここまでバーを落とさず跳び続けているのは、自分を含め三人となっていた。
一人はバレーボール部で、小柄だが運動神経の塊のようなやつ。
もう一人は学年で一番背の高いやつだった。
バレーボール部のその友人は別として、自分ともう一人は背の高さが幸いして跳び越えられている、そんな状態。
その次の番で、背の高いやつはバーを落とした。
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