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中学三年生の夏休みでの急な進路変更。
推薦でほぼ確実と言われていた高校を蹴っての一般入試。
両親にも先生にも迷惑を掛けたと思う。
それでもお前が決めたのならと、みんな快く協力してくれた。
三年生になって担任となった陸上部の顧問は
「お前のその目を見るのは二度目だな」
と、目元に皺を寄せて笑った。
元々勉強は苦手ではなかったから、成績的には問題はなかった。
そうして今この高校で、あの日焼きついて離れなかった選手と一緒に練習に励む日々を送っていた。
あんなにも綺麗にしなやかに飛ぶものだから、きっと落ち着いた性格で、論理的で、爽やかな天才肌の人物なのだろうと思っていた。
だが違った。
とにかく明るかった。
声は大きく、元気の塊みたいな人。
思った事がすぐ顔に出るし、裏表のない性格で誰とでもすぐに打ち解ける。
想像とは違ったが、空を舞うあの姿を毎日目の前で見られる。
(それだけで…良かったのに…)
過去を思い出しているうちに、いつの間にか眠りに落ちてしまっていた。
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