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何をもって普通というのか、それは場所や時間、状況によって変わってくるのだと思う。
高校、部活、友達、先輩、後輩、そういった今の自分の置かれる環境の中で考えると、緒方光介という人間は、普通ではない。
底抜けに明るい性格。
廊下の端からも聞こえる大きな声。
急にしょんぼりする所。
真顔で繰り出すド天然発言。
独特の感性に言葉選び。
その普段からは想像できない、空を舞う姿。
他の三年生にも言える事ではあるが、今まで生きてきた中で出会った事の無いタイプの人間だった。
自分とは生きていく上での熱量が違うのだと思う。
そんな人間が自分を好きだと言う。
しかもそれを公言している。
他の三年生と比べても普通じゃない。
と、思う。
この微妙に気まずい雰囲気をどうするか。
普通ではない三年生の視線がじわじわと痛い。
ぼんやりとしていたせいかシャツの替えを忘れて取りに戻るという、普段はしないミスを犯した。
おかげでいつもより乗るバスが一本遅くなってしまったのだ。
母の不思議そうな視線も痛かった。
三年生達が揃う前に部室にたどり着けなかった自分の愚かさを恨む。
もう少し早く着いていたのなら、緒方さんと二人きりにはならない、且つ余計な話しを聞かなくて済んだタイミングで部室に入れたはずだったのに。
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