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「秋月!一緒に帰ろう!」
練習が終わっても尚騒がしい部室に緒方さんの声が響いた。
一年生達は気にもとめず、一ヶ所にまとまって帰りにどこに寄るかを話し合っている。
同じく二年生も各々夕飯の話や今日の出来事などを話している。
部誌を職員室へ届けに行った為に不在の渡辺さんを除いた三年生は、キレのある動きで一斉に緒方さんを見た。
三年生のみ朝に続き、練習を重ねたコント集団のような息の合った動きだ。
「チャレンジャー…」
「さすが緒方…」
「んー…はい」
「はい井上くん」
「”秋月は今困ってる”方に100円」
「……井上が何かを察しているのか?おい山梨、やはり地球は滅亡するのか?最後の晩餐はどうする?」
「気持ちは分かるが落ち着け、田沼」
「困らない奴がいるなら逆に見てみたいよね。てかメガネやめたんだね」
「モテなかったからな!俺は別に困ってないぞ?」
「さぁ秋月どう出るかな」
「俺は困ってないってば!」
「井上うるせぇぇよぉぉぉ!秋月に聞こえるだろうが!」
「田沼、落ち着け。秋月に聞こえる」
(聞こえてますよ…)
しかも丸聞こえ。
一応聞こえないように話す気はあるのか、ヒソヒソと小声の三年生に心の中でツッコむ。
ここで緒方さんの誘いを断る方が不自然だろう。
毎日一緒に帰っているのだ。
朝と違って部室にいるのは三年生だけではない。
昨日の事を知らない他の部員からしたら、気にも止めないいつもの会話だ。
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