アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
30
-
「いいですよ」
「えっマジで?!やったぁ!!」
部室中の注目を集め、自分の言葉に反応した大声の主は田沼さんだった。
「どうした田沼!落ち着け!」
そして田沼さんにそうツッコんだのは、まさかの井上さんだった。
三年生は自由奔放で好奇心の塊のような人間の集まりだ。
井上さんと田沼さんは100m。
山梨さんは1500m。
瀬川さんは3000m。
渡辺さんは走り幅跳び。
それぞれ種目も性格も違えど、顔を合わせればこうやって騒いでいる。
ふざけ合っているようにしか見えないが、本人達はいつでも至って真面目なようだ。
田沼さんの大声に驚いた一、二年生も、いつもの事かとまたそれぞれ話しを始めた。
「秋月もすげーな…」
山梨さんの小声から、また三年生のヒソヒソ話しが始まった。
「今日は寄りたい所がある、とかいくらでも言い訳できたのにね」
「心が乱れた…」
「緒方も昨日の今日でこれ以上は深追いしないだろうにな」
「帰りメガネかけるか悩むよな」
「秋月も意外と天然だよね」
(……また全部聞こえてるけど、確かにその通りだったのかもしれない…)
三年生達の元々息の合っていた動きもスルースキルも、息の合っているのか分からない話しの内容も、この一年で更に磨きが掛かったように思えた。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
31 / 1191