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ガチャリとドアが空いた。
「部室締めるから早く出ろー」
職員室から戻ってきた渡辺さんが、そう言いながら窓の鍵が閉まっているか確認をし始めた。
渡辺さんだけは朝の部室に自分と一緒に入った為、昨日の事は知らないはずである。
何も知らない三年生の登場にほっとする。
「ラーメンか?購買の焼きそばパンか?やはり最後くらいは母ちゃんの」
「田沼、落ち着け」
「ねー、誰かこのメガネの魅力を知りたくはないの?」
「知りたくはないけど、ネジって単語は気になったな」
「田沼、落ち着け」
ガヤガヤと部員達がまとまって部室を出ていく。
「あ、そうだ秋月」
続いて部室から出ようとしたところで、渡辺さんに名前を呼ばれて振り返る。
「なんですか?」
「昼にプリント確認してくれたか?」
緒方さんが持ってきたメニュー表のことだ。
「はい、緒方さんが持ってきてくれたので。二年に伝えましたが、岡田は今日休みだったのでまた」
「あれな、緒方が自分で秋月の所に行くって譲らなかったんだよ」
予想だにしなかった言葉で話しを遮られ、我が耳を疑う。
「……はい?」
「秋月…」
真剣な顔でずいっと部長に攻め寄られ、思わず一歩後退する。
「がんば…!!」
息が止まる。
渡辺さんはにっと笑うとくるりと背中を向けた。
結局三年生は全員、昨日の事を知っているという事なのだろう。
(……なんだこれ)
なにかの罰ゲームだろうか。
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