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「緒方とはどうなった?」
「山梨っ!そこはほっとくべきでしょ!」
涙を拭いながら慌てて瀬川さんが止めた。
「…どうもなってませんけど」
「告白されたんだろ?」
「はい、まぁ…」
「ふっちゃったの?」
「いえ、そんなことは」
”お前どうせ難しい言葉並べたんだろ”
先程の言葉が意味する通り、山梨さんという人はいつも飄々としていてノリもいいが、その実よく人を見ている。
その人相手にこのやり取りは面倒臭いと思った。
と同時に、あれ以降緒方さんが自分との事を話していないのかと不思議に思う。
「秋月が返事をくれない!」
そう喚いている姿が安易に想像できる。
緒方さんに悪い事をしてると思わない事も無い。
考えて欲しいと言われ、でも何を考えたらいいのか分からず、最近はあまりも普通に接してくるものだから告白された事すら忘れかけていた。
「どうしたらいいのか…わからないです…」
それが素直な気持ちだった。
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