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「秋月ー起きろー」
どこか遠い所から呼ばれてる気がして、ゆっくりと目を開ける。
至近距離に岡田の顔があった。
「お、秋月おは」
岡田は布団のすぐ脇で、膝を抱えてこちらをのぞき込んでいた。
一瞬、状況が飲み込めない。
「…おはよう」
とりあえず挨拶をして身体を起こす。
カーテンの開け放たれた窓から、夏の朝日が差し込んでいる。
(ああ…合宿か…)
「俺がお前を起こすなんて初めてじゃね?」
立ち上がった岡田が、布団を畳みながら言った。
「あー…そうだっけ…」
確かに普段は携帯のアラームで確実に目が覚めるし、合宿では幾らか気が張っているせいか、勝手に目が覚める事が多かった。
そう言われれば合宿の度に、自分が岡田を起こしていたような気がする。
軽く伸びをする。
少し身体が重たく感じる。
唇に触れてみる。
もう熱は残っていなかった。
(…夢か?)
夢だったのかもしれない。
きっと夢だった。
「二年生ー全員起きてるかー?」
渡辺さんが扉から顔を出した。
「おはようございまーす。起きてまーす」
誰かが眠たそうな声で応えた。
「あと15分で朝飯だからな。遅れるなよ」
「うぃーっす」
眠たそうな声でまた誰かが返事した。
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