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食堂でもまたおぼんを手にした列が出来ていた。
「ちょっ、秋月!!」
既に席についていた田沼さんと瀬川さんが、こちらに気付き駆け寄ってきた。
三年生は揃いも揃って朝から元気だなと思う。
「おはようございます」
「あそこ!みそ汁の所にいるのって秋月のお母さんでしょ?!」
視線を動かすと、母が笑顔でみそ汁をよそっていた。
「ああ、そうですね」
「そうですね、じゃねーよ!」
二人共明らかに興奮している様子だ。
「どんだけ美人なんだよ!」
えっと小さく声を上げ、柴田も母の方を向いた。
「うわっ、本当だ!女優さんみたいですね!」
生まれた時から毎日見てきた顔だ。
特に何も感じない。
「そうですかね」
「いやいやいやいや!ヤベーよ!ヤベーだろ!」
今日はヤバイ出来事が多いようだ。
「去年はいなかったよね?!」
「ああ、去年は当番じゃなかったから、今年は打ち上げのも当番だって言ってましたね」
「マジかっ!滾るー!」
二人は同時に拳を握った。
「あら、充。おはよう」
いつも通り、見慣れた母の聞き慣れた声だ。
家にいるような気分になる。
「おはよう」
「ちゃんと寝てるの?少し眠そうね」
「……そうかな」
さすが母親。
(鋭い…)
「岡田くん、おはよう。久しぶりね」
母の興味はさっさと自分から逸れて、中学の時からこうやって幾度か顔を合わせている岡田に移った。
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