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食事を全て受け取り食堂の入り口側の空いてる席へ座ると、岡田が向かいに座った。
なぜか田沼さんと瀬川さんがついてくる。
「やっぱり素がいいとこういうのができるんだな」
両サイドから顔をのぞき込まれた。
(前にも同じようなことが…)
ため息を飲み込む。
「もと、ですか」
「そう!素!」
「岡田さん、お隣いいですか?」
「おう!座れ座れ!」
少し遅れてきた柴田が岡田の隣に座った。
両サイドからの視線が痛い。
なんとかその視線を逸らしたい。
「そういえばよく俺の母親って分かりましたね」
話題を変えたいところだが、これが今の精一杯。
保護者会には何度か顔を出しているはずだが、こうやって部員と会うのは初めてのはずだ。
「似てるもん。鼻筋の通った感じとかさ」
(やはり逸らせないか…)
次の手段を考える。
「気だるげな色気ムンムンの目元もお母様譲りかぁ羨ましい!」
(何か…何かないか…)
「全員揃ったかー?」
渡辺さんがぐるりと食堂内を見渡した。
田沼さんと瀬川さんは慌てて席へと戻っていく。
ほっと息をつく。
「緒方と井上がまだでーす」
奥側の席に座ってた山梨さんが間延びした声を上げた。
「ったくあいつらは…」
「「お待たせしましたあぁぁっ!」」
渡辺さんの言葉に被せるように、二人は息を切らして走り込んできた。
「三年がこんなんじゃ示しがつかないだろ。早く準備して座れ」
「「すみませんっ!」」
母親達の機転の利いた行動のおかげで、既に二つのおぼんにそれぞれ食事が乗っていた。
「「ありがとうございますっ!」」
おぼんを受け取って頭を下げると、二人はそのまま配膳コーナーの目の前の席に並んで座った。
「ったく…よし!今日も暑くなるだろうから、みんな体調には特に注意する事。怪我なんかしてくれるなよ。では、いただきます!」
渡辺さんの号令で、みんなで合掌する。
「いただきまーーす!!」
食堂内が一気に活気づく。
誰もが一斉に食事を掻き込んだ。
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