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「おっ井上、ちゃんといた…」
息を切らしながらの田沼さんの声に振り返ると、先に走って行った六人もまだ整わない呼吸を繰り返し、肩を上下させていた。
「なんで?ミラーの所って言ってたし」
腰に手を当て、井上さんが首を傾げた。
「井上だから。肉消えちゃったかぁ。まぁこんだけ暑けりゃ汗もすごいしなー」
「さっきからみんながなに言ってんのか全然分かんねぇ」
田沼さんと井上さんのやり取りを横目に頬を流れる汗を拭う。
柴田は座り込んでいた。
「大丈夫?」
声を掛けると力なく顔を上げた。
「大丈夫っすけど…やっぱり部長は神です…」
ダッシュの本数が減った事を、今心から喜んでいるのだろう。
明らかにげっそりとした顔でにっこりと笑った。
全員が登って来たところで、ジョギングでスタート地点まで下る。
それを10回繰り返した所で、ちょうどロードワークへ出ていった部員が戻って来た。
誰もが荒い呼吸を繰り返すだけで、なにも言わない。
容赦なく照りつける日差しは猛威を増し、立っているだけで確実に体力を奪っていく。
部長の英断により、この日はそのまま学校へと戻る事となった。
「水分取ったら日陰入っとけよ。ちょっと監督の所行ってくるから、後頼んだ」
学校に到着すると、渡辺さんは職員室へと向かって行った。
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