アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
81
-
「これ…秋月の為に生み出されたゲームだろ…」
「なに言ってるんですか田沼さん。はい、俺今ジョーカー持ってないんで安心してどうぞ」
「もうお前の言う事なにも信じられなくなりそうで怖い!」
三回戦目。
配られたカードにペアが多く、大量のカードを場に捨てる事に成功して、持ち札が少ない状態でスタートした井上さんが早々に一抜けを果たした。
その他の三年生はやはり、全員正座になっていた。
井上さんが少し離れた所で寝転がり始めた。
「短パンからのぞく秋月の脚線美がたまんねぇなー。体育座りサイコー。やっぱり嫁に来るか?」
「おいっ!ふざんけなよ井上!秋月正座!もしくは布団!」
緒方さんが布団を乱暴に掴んで掛けてきた。
「いや暑いので」
「じゃあ正座!」
ぷくりと膨らませた頬を見て、反論するのを諦め正座をする。
「お、いいよ。正座は正座でチラリズム感がまたいい感じ」
「どこのセクハラ親父だよ!」
田沼さんが井上さんに枕を投げつけた。
「秋月!やっぱり布団!」
「いや、別になにも問題ないので」
「いいから!」
「暑いですから!」
グイグイと布団を押し合っている拍子で、緒方さんの手からカードがこぼれるように散らばった。
「あ…」
緒方さんが慌ててかき集めるも、時すでに遅し。
表を向いて落ちたカードの一枚がジョーカーだったのを、見逃した者はいなかった。
良くも悪くも、思っている事が顔に出る人だ。
ジョーカーを避ける事は容易く、そしてそれは最初から緒方さんからカードを引くポジションに座っていた、自分に限った事ではない。
結局ジョーカーは一度も移動する事はなく、そのまま緒方さんの負けとなった。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
82 / 1191