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「うちは八人だから二人が二回走らないとだな。どうする?」
緒方さんの言葉に一年生が一斉に首を横に振った。
「無理です無理です!責任重大すぎます!」
柴田の言葉に今度は一斉に首を縦に振った。
「…てか去年まで高跳び二人だったんですよね?二人で走ったんですか?」
笹倉の言葉を聞いて、あー、と緒方さんが笑った。
「走ったよな、秋月」
「はい。もはやリレーじゃなかったですね」
去年は本来なら2kmを10人で走るものなのに
「お前らなら二人でいけるだろ!」
という元部長の戸倉さんの非常に軽い判断により、二人で1kmずつを走った。
持久走に近いものだった。
「「えっ、ペナルティーやったんですか?!」」
双子がハモる。
「うんにゃ、ビリじゃなかったもん」
「はぁっ?!」
けろりと言ってのけた緒方さんに、一年生が後ずさった。
「緒方さんてその辺の長距離選手より持久力あるんだよ」
フォローを入れる。
「秋月はその辺の短距離選手より早いぞ」
緒方さんも付け足す。
呆気に取られている様子の一年生達。
「いやいやいやいや…200mだけを全力疾走する人達相手ですよ…?」
「まぁそうだな。でもフィールド競技の奴らは結構二回ずつくらい走るしな」
「1kmずつって言っても連続じゃないよ。何回かバトンリレーしたし」
「えぇぇ…?」
二人で走った事に驚いているのか、それとも二人だろうが助っ人さえないこのリレー自体に驚愕しているのか、明らかに困惑顔の一年生。
「もう緒方さんと秋月さんに二回走ってもらえばいいかと…」
と田中。
「秋月それでいい?」
「構いませんけど」
こうして緒方さんと自分が二回走ることが決まり、一年生はほっと息を吐いていた。
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