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もしも・・・⑦(パロです)
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(久々に書きたくなりました……良かったら、読んでみて下さい(>_<))
嵩原×高橋です。
ずっと側にいる。
それが、当たり前だと思っていた。
「高橋…………………そこの書類…………………」
関西某所。
近所でも一際目立つ豪邸で、珍しく自分の書斎でデスクへ向かう嵩原は、いつものように声を発して我に返る。
ああ、高橋はもういないんだ。
そう、もういない。
「高橋の奴…………大和の所へ行ったんやった…………」
大和の所へ。
静まり返った書斎が、それをまざまざと教えてくれる。
人が一人いないだけで、こんなにも静かなのか。
「はぁっ…………………」
渾身の溜め息。
持っていた万年筆を書類の上に放り投げ、嵩原は椅子の背にもたれると、高い天井を見上げた。
「…………………あかん、やる気出ぇへん」
二日前。
嵩原は、長年連れ添った右腕にフラれた。
理由は、単純明快、ただ一つ。
『大和さんのお側へ行かせて下さい』
大和の側…………………俺よりも?
モテモテだった、嵩原の極道人生。
初めて負けた。
それも、最愛の我が子に。
「くそ………………憎みとうても、憎めへんやんけ」
高橋を取られても、息子は可愛い。
生意気な悪ガキだが、自分も若い時は同じだった。
しかも、大和がヤクザになりたいと言ったのは、明らかに自分に責任がある。
可愛過ぎて、ぶん殴ってしまったが……………。
「俺に、責める資格はない」
でも、高橋がいないのは寂しい。
「どうしたいねん!俺は……………っ!」
そうだ!
どうしたいんだ!
可愛い息子と、愛しい右腕への想いで、嵩原の頭の中は答えの出ない自問自答。
椅子と一緒に思考回路もグルグル回る。
グルグル、グルグル……………。
グゥゥゥ…………………………
「腹減った………………とりあえず、何か食おう」
普段ないエネルギー消費に、お腹が命乞い。
悩み事も、自然の流れには逆らえないらしい。
今年34歳。
まだまだ肉食系。
「もう、こないな時間か…………………」
時計を見れば、深夜1時。
机に向かって、約2時間。
自分にしてはよく頑張った。
誰も誉めてくれないから、とりあえず自分で自分を誉めてやろう(あ、何処かで聞いた台詞)。
ガチャ……………………
間接照明が、点々と辺りを照らす長い廊下を抜け、嵩原はキッチンの扉を開ける。
さすがにこの時間になると、防犯は至る所に備えられたセンサーと、要所要所に設置されたカメラがモノを言う。
定期的に組員達が見回りには行くが、その連中も何もなければ休憩室で休んでいる。
静かな大邸宅。
「え……………………」
自分ではまず使いこなせないような立派なキッチンを眺め、嵩原は視界に入った光景に思わず声を漏らす。
カウンターだけ灯された明かりが、まるでスポットライト。
そこに見える背中に、一気に口元が綻んだ。
「た……………………」
「親父?……………………なんや、お仕事終わりはったんですか?」
高橋…………………っ!!
「今、夜食をお持ちしようかと、用意しとった所でし………………」
ガシャン…………………
食器にぶつかる、高橋の手。
自分の登場に笑顔で振り返った高橋を、嵩原はたまらず抱きしめた。
「………………………夜食より、お前がええ」
どストレートな告白。
だって、さっきまで高橋の事ばかり考えてた。
回りくどい言い方なんか、クソ食らえ。
「お前が、ええ…………………」
そして、食べられるまでしつこい。
「も…………………貴方と言うお人は………………いつも、いきなり過ぎます」
「うっせ……………………俺に変化球は無理や言うん、知っとるやろ」
常に、直球。
喧嘩も極道も、恋愛も…………真っ直ぐ突き進むのみ。
下手ではないが、器用でもない。
だけど、一度愛したら、そいつだけ。
愛して愛して、愛し抜く。
高橋の頬へ肌を擦り寄せ、嵩原は恋い焦がれた元・右腕をわかりやすいほどに求めた。
「………………………はい、知っています」
そんな嵩原を優しく受け入れる、高橋の温もり。
背中へ回る高橋の腕が、嵩原の顔をみるみる満面の笑みに変えていく。
嬉しい。
自分の事を誰よりもわかってくれる、男。
「やっぱり、お前やないとあかん………………」
「はい………………知っています」
それも知ってんのか!
さすが、高………………いや、待てよ。
知っているって…………………。
「何や、ソレ……………知っとって、俺をフッたんか」
そこよ、そこ。
鼻先が当たるほどの密接な距離。
抱きしめ合う二人の身体は、いつの間にか熱く火照り、1㎜も離れる事を拒みながらも、事の真意に首を傾げる。
「私が、いつ別れる言いました?」
「……………………ん?」
いつ?
言ったっけな………………。
言われてみれば、記憶にない。
「大和さんには付いて行く言いましたけど、親父と別れるやなんて言うてません」
「ぇえ………………っ!」
「親父ですよ?世界で一番ええ男やと信じて疑わないお人を、どうして振れます?………………他の奴が触るんも、虫酸が走るのに………………」
他の奴が触るんも…………………。
そう言う高橋は、嵩原の首筋へ顔を埋め、目一杯に甘えて見せる。
「私かて、親父とずっと一緒におりたい……………私の後が錦戸や聞いて、どれだけ妬いた事か……………」
「高橋……………………」
ラブラブじゃん。
水も一瞬で干上がりそうなくらい、二人の周りだけが燃えるような灼熱の砂漠地帯。
カラカラに渇いた喉を潤すのは、互いの蜜と注がれた溢れんばかりの愛。
「親…………………っん…ぁ…あ」
次に顔を上げた瞬間には、唇が重なり舌を濡らしてる。
「妬く位なら、俺から離れんな……………アホ」
「んっ……………ですが………大和さんには、素晴らしい才が……ぁ……あります。親父の大切な大和さんを……んぁ……他の者に任せとうなか…っ……たから…」
舐め合う舌と、シャツの上から膨れた乳首を弄る嵩原の指先に、高橋の身体は崩れる様にカウンターへ寄りかかった。
「要らん気ィ使いよって…………………まぁ、お前のそんな所が好きやねんけど……………」
嵩原の滑る手が、高橋の腰を捕らえる。
今すぐ、挿れたい。
手際のよい嵩原は、高橋の肌にもっと触れようと、その先をまさぐりに入った。
「やっ…………っん………ぁ……あきません………親父っ……ここでは、誰かに見られて…………」
シャツを捲り始めた嵩原の手を掴み、高橋は離れられない唇から、なんとか声を発した。
見上げれば、綺麗な顔がキラキラと迫る。
その上、いやらしい涎が一筋の線を描き、嵩原の美しい顎のラインを落ちていく。
それだけで、ヒップの奥がヒクヒクと疼き出す。
「だったら、3分後に俺の部屋へ来い………………来えへんかったら、俺がお前を犯しに行く」
「はぅ………っんん………ぁはっ…ん」
最後に、貪り尽くしてしまいそうな激しいキスをして、嵩原はゆっくりと唇を遠ざけた。
強引な人。
「はぁ…………は……直ぐに行きます」
それがまた、たまらなく愛しい。
「……………………愛しとる」
「私も……………です………」
瞳に映る、幸せ。
世の中に運命の糸があるのなら、それは必ずこの人だ。
若かれし化け物と、地獄を見た奴隷。
一目会った時から、互いに忘れられない存在となった。
生きていて良かった。
どんな苦しい日々も、光に変えるだけの出会いが、ここにあったのだから。
(久し振りに書いたにもかかわらず読んで下さり、ありがとうございました!!頭の中はエロエロだったのですが、二人のイチャイチャがつい長くなって、エロエロまで辿り着けず……なんだかすみません(;´Д`)ただ、嵩原と高橋は、やはり夫婦だなと思いました……感想Σ(゚ω゚))
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