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学園男子⑤-1(パロです………)
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(皆様、いつもありがとうございます。竜也先生と大和の続編のお声もいただき、感謝しています!そのお言葉に甘え、書いてしまいました……しかも、ガッツリ話を書いてしまいまして、1話で収まらず……お許し下さい。ご無理のない範囲で読んでいただけましたら……※とても長くなりました(汗))
『そのうち、全部拐ったるわ』
誰もいない廊下で言われた、衝撃の一言。
あれから、大和の頭の中では、それが常にリピート状態。
脳の端から端まで、スピーカーが揺れている。
その為、ただでさえ入って来ない授業が、益々入らなくなると言う、恐ろしいスパイラルに陥った。
「………………あかん。あいつのせいで、ただでさえ無い集中力が余計にのうなった……………」
思春期は、ムラムラ悶々が大敵です。
大和は窓際の席で顔を伏せ、チラッと快晴の青空を見上げた。
「はぁ……………………」
何だ、これ。
これじゃ、まるで恋煩い。
勉強も手につかないとは、この事か。
(いや、つくもつかないも、そもそも勉強していない)
「嵩原ァ!お前、何ボーッとしとんねん!授業出たんなら、前くらい見ぃよっ」
しかも、当人は至って普通。
こうして今日も、容赦なく説教の嵐。
「……………………授業に顔だけでも出しとけ言うたん、誰や。聞かせとるやないか」
うん、聞かせてる。
なにせ、前を見たらその当人がいる。
ただ今、絶賛数学授業中。
逃げようにも逃げられない位、竜也先生で意識が埋まる。
「チッ…………………竜也のアホ」
不貞腐れたように顔を上げ、大和は恨めしそうに竜也を睨む。
「拐うって、口だけか……………」
口だけ。
恨めしく思うのには、理由がある。
二人きりの廊下であんな事言っておきながら、竜也先生はもう何日も音沙汰なし。
いつも通り授業をし、いつも通り皆に人気。
黒板の黒さが竜也先生の姿をより浮き彫りにし、生徒達の目はハート。
誰でもええんやろ、結局…………………。
なんだか、期待して馬鹿みたい。
「………………………期待して?」
……………て、つまりそれは………………。
ガタッ…………………!!
「違ーうっ!!俺は、期待なんぞしてへんっ!!恨めしくもなーいっ!!」
大和、たまらず立ち上がり、渾身の雄叫び。
授業中に。
「おい………………大和」
「た、嵩原…………………?」
「………………………あ」
ざわつく教室で、竜也先生が眉間にシワを寄せて、こちらを見てる。
「はい、嵩原ぁー。後で俺ンとこ、来い」
一気に、周りは爆笑の渦。
ヤっちまった…………………。
ヤっちまったな?
「ほれ、これ持って」
ドサッ……………………
「おわぁっ…………」
放課後の職員室。
竜也先生に呼び出された大和は、突然大きなダンボールを手渡される。
「お……………重い…………ぃ」
いきなり腕にかかる、重力。
軽く膝から落ちかけたが、ダサい姿は見せられないと、辛うじて腰を下げて踏ん張った。
「あぁ、ここ数年間の学園祭の資料が、詰まっとるからな。ご丁寧に、今までの先生が写真付きでビッシリ溜め込んでくれとったさかい」
なんとか持ちこたえる大和を尻目に、竜也先生は涼しそうにキーボックスを開き、何やら捜してる。
「え?何でそれ、お前が持っとんや?」
「そりゃ、今年は俺が責任者に決まったから……て、お前誰に口利いとんな。『お前』って、何やねん」
そこは、聞き逃さない。
竜也先生は、捜し物らしき鍵を握りしめると、ジロリと大和を一睨み。
「いや…………………」
こいつ、絶対昔ヤンキーやんな……………。
それも、結構な。
白々しく睨まれた目を逸らし、大和は顔を引きつらせた。
負けたくはないが、正直勝てる気もしない。
ちょっとした睨みも、かなりの凄み。
昔の武勇伝を聞こうものなら、これでもか!と出てきそう。
「ま、ええわ……ついて来い、シバき上げたるから」
「はあ……………っ!?」
「今日、その邪魔くさいの整理するんや………………どうせ暇やろ?授業中叫んだバツに、手伝え」
「な…………………」
この量を!?
中には沢山のファイルが犇めき合ってる。
きっと、1日じゃ終わらない。
て、竜也先生を見た時には、既に廊下へ出かかっていた。
「おぃぃ………………っ!」
扱い、雑だな!
何だよ、本当に。
密かに会話するだけでドキドキしてる自分が、馬鹿みたい。
ドキドキ……………………。
「もうっ!俺、何したいんなっ!」
情けないが、やっぱり気になっている。
先を歩く背中を追いかけるその瞳は、早くも竜也先生しか見えていない。
『第3会議室』
「おし!ここなら広すぎんし、あまり使われへんから、しばらく占領したかて大丈夫やろ」
長い廊下の端。
3つの会議室が並ぶ中で、一番小さな部屋を見渡し、竜也先生は腕を組む。
長机が4つ置かれ、椅子も10脚程度の会議室。
カーテンも閉めきられた一室は、なんとも空虚で、帰宅したり部活に励む生徒達の声すら、微かに聞こえるほど。
所謂、ほぼ完全なる二人きり。
ゴク………………………
大和は僅かに残った唾を飲み込み、抱えたダンボールを持つ手にギュッと力を入れた。
「嵩原…………………」
「…………………っ!?」
不意に耳元へ響く、低い声。
思わず、肩が大きく揺れた。
「な、何…………………」
「はい。ここにする事書いとるから、やっとってくれや」
「…………………へ?」
「俺、最近残業続きで、疲れとんねん………寝るわ」
「は………………っ!!」
寝るわ。
大和の持つダンボールに1枚の紙を乗せ、竜也先生は大あくび。
絶句する大和なんか気にもしないで、椅子に腰を掛けると、腕を枕に机へうつ伏せた。
しっ、信じられん!!
咄嗟に、ダンボール投げつけそうになったよ。
「て…………め……………っ」
と怒鳴りたいのは山々だが、竜也先生はもう目を閉じて、僅かに寝息さえ聞こえる。
「マジか…………………」
最悪やな………………!
ただ、その言葉とは裏腹に、視線は竜也先生の姿に釘付け。
そろりとダンボールを机に置き、大和はじっくり観察するように身を屈めた。
鼻筋の通った顔立ちに、長い睫毛。
厚くもなく薄くもない、程好い唇が少しだけ隙間のあるエロい景色。
モテるの、わかるな。
背も高いし、Yシャツの袖から覗く筋肉質な腕も格好良い。
気が付けば、屈めた身体は竜也先生のすぐ側に。
「柔らかそうな髪の毛…………………」
ワックスを付けて横に流しているが、くっきりとした二重にかかる前髪がユルくうねってる。
綺麗な寝顔が、見えない。
大和は静かに腕を伸ばし、髪の毛をかき上げようと試みた。
パシ………………………
「え…………………っ」
「なんや?そないに、俺が気になんのか」
「わっ…………………」
髪の毛に触れようとした瞬間、大和は手首を掴まれる。
眼下には、ニヤリと笑う竜也先生。
「おま…………………起きてた……」
「直ぐに寝れるか…………お前の視線はやたらと感じるし、ブツブツ言うてるし……………わかりやすいねん、お前」
「わか………………ぅああっ!!?」
わかりやすいねん。
竜也先生がそう言った途端、大和の身体は宙に浮く。
ガタンッ………………!
「いっ……………………」
腰、打ったァ……………!
何!?
一瞬の事でわからなかったが、目を見開いた大和は、顔を上げて息を飲む。
「竜………………………」
「どんだけ、俺を好きなんな………………お前の視線、えらい痛いわ」
真上に、竜也先生の顔。
「……………………なあ、教えたろうか?」
「は、はい………………?」
自分を見下ろし微笑む竜也先生に、ようやく状況を把握した。
固い、背中の感触。
俺………………机の上に……………。
寝かされてる。
「高橋と、どっちが上手いか」
「………………………っ」
さっき、竜也先生に腕を掴まれた大和は、逃げる間もなくその身体を引っ張られた。
激しい音は、机の縁に身体をぶつけた為で………どれだけの力が加えられたのか、大和はそのまま机に身を乗り上げ、竜也先生によって押さえ付けられてしまった。
その上………………。
「じょ……………冗談やろ………………」
高橋と、どっちが上手いか。
高橋と…………………?
「冗談?…………………俺が、知らん思うとんのか?お前が高橋と寝た事なんか、とうにお見通しやで」
「た…………………竜…」
何故、それを………………。
肌を伝う、竜也先生の指先。
緊張で強張る大和の頬を撫で、それは言葉の出ない唇を捉える。
「悪いようにはせえへん……………俺だけ見とけ」
俺だけ。
熱いものが、口を塞ぐ。
(皆様、長い話を読んで下さいまして、有難うございました(汗)すみません、本当に(>_<)過程が収まらず…情けない事です。次は、エロ入ります(汗)本当に有難うございました)
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