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もしも・・・⑨(パロです)
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(これは、恋愛男子1があの終わりでなかったらの話です。大和が、もしお父ちゃんを選んでなかったら……ずっと待っていてくれた恋人の元へ走っていってたら……頭にはあったけれど、書けませんでした。この二人も好きだったし、颯に辛い選択をさせてしまったので。今回は、そんな二人を今でも好きでいてくれる読者様のお声に応えさせていただきました!長い間どうしても譲れずにいて下さったお気持ちに、私も手を動かそうと…よければ、目を通してみて下さい)
大和×颯です!
(お父ちゃんと関係を持っていない設定で書いてます)
お互いに初めて本気で好きになった相手。
この人がいたから、自分は変われた。
出会えて、本当に良かった。
「颯…………………っ!」
青空広がる日曜日。
晴れやかな日差しを浴びて、一際大きな声が街中に響き渡る。
「大和…………………」
周りの目が一斉に振り返る先に、待ち人は元気にやって来る。
大和。
また、そう呼べる日が訪れるなんて……………。
待ってて良かった。
会いたくて会いたくて、何度スマホ画面と戦ったか!
「久し振り………………っ」
綺麗な笑顔が、自然と溢れてく。
近付く彼に、美少年は嬉しそうに微笑んだ。
「あ、ちょっと颯っ!何や、その服!」
「えっ………………」
ただ、こちらの想いとは裏腹に、大好きな彼はマイペース。
「シャツの釦、開けすぎやろ!あかん、あかんっ……全部閉めや」
「ぜ、全部……………?」
「ここは、俺だけの領域やん。誰にも見せな」
ぷぅと頬を膨らませ、颯のシャツを閉じる、大和。
釦、2個位は開いてたかな?
颯は大和に言われるがまま、赤い顔で釦を嵌める。
「よしよし♪ほな、颯……………改めて」
「はい?…………………あっ」
改めて。
自分の行動に満足げな大和を、颯が見上げた瞬間、大きな腕が身体を包み込む。
「やま……………っ……」
「やっと、デート出来たぁぁ……………これが欲しゅうて頑張ったんや、俺!」
驚く通行人達を尻目に、大和は目一杯に颯を抱きしめた。
頑張った。
喜多見組との抗争。
大和にとって、あそこまでの規模を抱えた組を相手にするのは、初めてだった。
多大なるプレッシャーと多大なる不安。
颯の声が聞きたいと、いつも思ってた。
「今日、映画やったか?何でも言えや……………会えへんかった時間、埋めたるから」
大和は、胸の中で顔を赤らめる颯を覗き込み、笑顔で囁く。
照れてる颯は、実に美人。
「ん…………………いてくれるだけで、幸せ」
自分の服をギュウッと握りしめ、長い睫毛が眩しい瞳を隠す微笑みに、大和の心も温まる。
険しい道のりを進む自分の唯一の癒し。
颯がいなかったら、あの戦いも頑張れてなかったかもしれない。
「好きや……………颯…………」
「大和………………俺も、好き」
好き。
自分を抱きしめる大和が、颯の胸のトキメキを加速させる。
大和と一緒にいると、周囲の目など気にならなくなるから不思議だ。
男同士とか、大和には関係ない。
ただ、好きなだけ。
そう、好きなだけ。
その真っ直ぐさが、世界を変えてくれた。
「ありがとう、大和………………」
「アホ………………それ、俺の台詞」
結局、映画館に着くまで、大和は颯の手を離さなかった。
ジロジロ見る人は沢山いたが、素知らぬ顔。
だから、颯もそれに従った。
まるで、3歩下がって歩くお嫁さん。
ニコニコと、山盛りの大和の話題に耳を傾けた。
「なんや、もう終わりに近いんか?人少ないな」
颯が観たいと言っていた映画のシアター場内に入り、大和は疎らにしかいない人を見渡した。
せいぜい、7、8人?
だだっ広い室内が無駄に思えるほど、人がいない。
「ああ………………うん、明日で終わり。大和と来たいなって思ってて、ギリギリ間に合ったから」
「へ……………………」
ポップコーン片手に、照れ臭そうに呟く颯が、天使に見えた。
いや、毎日天使だが。
「…………………ほな、どこ座っても自由やな」
「どこ…………………?」
ドリンクのトレーを片手で持ち、大和はポリポリ頭を掻く。
なんだか、頬がうっすら赤いかも。
そんな大和を見上げ、颯は首を傾げた。
「大和……………どこか座りたい所あるの?」
ふんわりとした猫っ毛から見える、キラキラした無垢な瞳。
やべぇ………………。
下心が、頭から突き抜ける。
「っしゃ、いっちゃん後ろの角っこ行こ」
「あ、う?…………うん……っ」
徐々に落ちていく照明が、二人の距離を一段と縮める。
戸惑う颯の腕を引っ張り、ぐんくん上る階段に気持ちが逸った。
早く、二人だけの世界になりたい。
ギシ……………………
「颯、壁際な?」
「は…………………はい」
ニマニマの大和にリードされ、颯はなされるがまま。
勢いよく椅子に腰を下ろせば、ちゃっかり手は恋人繋ぎ。
指と指が絡まり、二人の熱は互いを温める。
「なぁ、颯…………………」
「ん?…………………何……」
スクリーンは、既に映画の番宣が次から次へと流れる。
煩い程の番宣は、人々の目を集めた。
颯もまた、それに視線を向けながら、大和の方へと身体をズラす。
「今日、お泊まりしような」
「え…………………」
それに反応した時は、早くも事は進む。
「っあ、ん……んっ…………は…」
突如、目の前を黒い影に塞がれ、口の中を滑らかな舌触りが走り抜ける。
「や……………ぁ…んぅ………も…っ」
「ええやろ、キスくらい……………お前見とったら、しとうなったんやもん」
甘えたような大和の声と重なるように、颯は一瞬で唇を奪われた。
久々に味わう、大和のキス。
ゾクゾクと身体が昂り、絡んでいた指先に力が入る。
溶けちゃう…………………。
優しさと、時折入る強さ。
キスが気持ちいいって、教えてくれたのは大和。
大音量の映画の音が、あっという間にかき消されていく。
「大和……………っん……映………画…ぁ」
「あかん………………久し振りやから、唇が離れとうないって言うてる……………」
離れとうない。
握り合う手の愛しさ。
大和は颯の手を大事そうに握りしめながら、その唇をなぞるように舌を入れ、たっぷりと口内を撫で回す。
一端、触れたが最後。
長い間我慢していたものは、止めどもなく流れ出ていくばかり。
今日は、呆れられるほど愛したい。
力の抜けていく颯の項へ手をかけた大和は、少し強引に身体を引き寄せた。
「あと100回チューしたら、止めるから」
「ぁ……んぁ…………どこまでが1回なの…………唇…はぁ………離れて………な………ぃ」
辛うじて出来た隙間から発する、乱れた声。
かっ…………可愛い……………。
それがまた、大和のハートを鷲掴み。
「無理…………………まだ、1回目も終わらん……」
映画、終わるな。
永遠に続く、1回目。
「な………………好きって、最強やな……………」
どれだけキスしても、またしたくなる。
好きから、好きが生まれてく瞬間。
「うん……………最強だね………………」
見つめ合う瞳に映る大好きな存在に、幸せを噛み締める。
自然と、身体は寄り添うように近付いていった。
(皆様、ありがとうございました。リクエストを頂いた読者様の希望もあり、二人のラブシーンになるこの続きを入れるかもしれません……本当にありがとうございました)
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