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もしも・・・(パロです)
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(リクエストです。みんなみんな、赤ちゃんになるんだな!と言う、可愛いやつです(*'ω' *)いつも山代を気にして下さる、優しい読者様からの優しいお題に楽しませて頂きました(*・ω・)*_ _))
(本当の意味でパロディです…)
「ん…………………ん…」
明るい日差しが、カーテンの隙間から漏れ入る。
今日は、日曜日。
ヤクザ家業に特定の休日なんてないが、日曜日くらいはゆっくりしたい。
「なんや……………もう、9時か……」
ふかふかのマットへ身を沈め、嵩原はいまだ眠い目を擦る。
昨夜は関西から来た藤原達と、朝まで無礼講。
帰ったの、午前4時だっけ?
多分、まだ皆ホテルで潰れてる。
ギシ……………………
「…………………あ?えらい静かやな」
いつもなら、大和や高橋、錦戸が顔を合わせ、ワイワイ煩く言っているものを。
時には、ソレに花崎や伊勢谷も加わり輪をかける。
嵩原は、静まり返ったマンション内に首を傾げ、上半身裸だった身体にTシャツを着せると、廊下の方へ足を進めた。
「おーい、誰かおるんかぁーっ」
シーン…………………
ん………………?
「珍し……………ホンマに、皆どっか行ったんか………」
あの、寝坊助大和が?
日曜日なんて、いつも昼近くまで寝てたろう。
「ちぇ、おらんならしゃーないな…………」
ちょっと寂しいが、今朝は自分1人で何か食べるか。
そう思いながら、渋々リビングのドアを開いた嵩原は、視界に入った光景に我が目を疑う。
「ばぁーぶぅー」
「うーぅーっ」
「……………………は」
は。
それしか出なかった。
だって、ばぁーぶぅー?
「あ……………あかん、まだ酒残っとんな…………もっかい寝てこ…」
嵩原はリビングから目を逸らし、身体の向きを半回転。
有り得ん事が起きている。
これは、夢。
これは、夢。
「あぅ…………パぁ……パ」
ツンツン。
スウェットの裾を掴む、可愛いマシュマロお手手。
パぁ………パ。
「ぎゃぁぁぁぁ…………っ!!?」
嵩原、絶叫。
無理もない。
嵩原が見たリビングには、自由気ままに転がるベビーが5人。
嵩原目がけて這って来る。
「おっ、お、お前ら誰なぁ……………!!」
「ばぁーばぁー」
会話の成り立たないベビーに向かって、普通に怒鳴るお父ちゃん。
いや、無理だから、それ。
言葉通じてないから、それ。
嵩原の動転ぶりをよそに、ベビー達は嬉しそうに『パパ』へ群がった。
見れば、近くにはスーツや大和の服らしき物が散らばっている。
まさか、まさか?
ピーンポーン……………………
「すみません、山代です。若頭、おられますか?」
「山代ぉぉ……………っ!!」
救世主、現る。
「え……………この子達、若頭達なんですか……」
「確証はないけどな…………他におらんから」
「わーぅーぅー」
「へぇ………………」
1人のベビーを抱き上げ、優しく微笑む山代。
小さな手が、自分の鼻や口を触っているのを、にこやかな笑顔で見つめてる。
「クス……………可愛い♡赤ちゃん、いいですね♪」
「お前……………聖母か」
聖母です。
この状況に呆然とする嵩原の目の前で、山代はさほど動揺もせず、ベビー達をブランケットで包んでく。
「服やオムツ、買ってあげなきゃいけませんね。もし、若頭達が急に赤ちゃんになったなら、またまた急に大人になるかもしれませんけど、このままでは可哀想ですから……………私、買って来ます」
しかも、既に適応している。
素晴らしい。
ばぁーぶぅー。
ベビーの威力は、凄い。
皆、聖母山代の元へ集まり、ちゃっかり甘えてる。
「パぁ…………あ……」
「ん………………?おま……………」
それでも、嵩原の側から離れないベビーが1人。
嵩原が動こうとしても、必死にしがみついて逃げようとしない、クリクリお目目のキュートな姿。
かっ、可愛い……………っ!!
しゃがみ込んだ嵩原の目に映る、懐かしい顔。
「パ……………ぁ……」
「大和……ぉ…………!」
今から16年位前の大和、ソックリではないか。
あまりに仰天する状況に、ベビーの顔なんか見てなかった。
言われてみれば、大和がいて当たり前だ。
また、赤ちゃん大和に会えるなんて…………!!
これには、さすがの嵩原も口を手で押さえ、感無量。
「パぁ……パ…………パぁパ」
「ぅおおおっ!お父ちゃんを、パパやと言うてくれるんか!」
思わずベビーの身体を抱きしめ、昔を思い出す。
「大和ぉーっ♡やっぱり、ウチの子が一番やっ!」
「ばぁーぅーパぁパぁ」
そうそう、大和がベビーの時はパパって響きに憧れて、少しの間だけ呼ばせてたっけ。
それがあっという間に『お父ちゃん』になったのは、言うまでもない。
「クスクス……………嵩原組長が、赤ちゃんみたいです。一番喜怒哀楽が出てますよ」
「ぇえ、そうか!?なんや、もう細かい事はどうでもええな!コイツら皆、俺が育てるわっ!」
大和を片腕に乗せ、パフパフほっぺにチューをする嵩原のデレ具合。
他のベビーを抱く山代も、その様子に顔が緩む。
「私もお手伝い致します……皆、ホント可愛いから」
「あーぅーぅー」
僕も僕も。
自分へ手を伸ばすベビー達を膝に乗せ、山代託児所出来上がり。
ある意味、山代には天職かもしれません。
とりあえず、誰が誰かを予想する所から始めよう。
「ホンマ、夢みたいやな………」
夢みたい。
酒、どっか行ったな……………。
嵩原は、リビングを縦横無尽に動き回る景色を眺め、これからの展望を予想した。
「ハッ!……………コイツら成人する頃には、俺60前やん!」
ギシ…………………
「………………じっ……………親父っ!」
「んん……………んっ…」
「おーやーじぃーっ!ええ加減、起きぃやぁっ!」
激しい揺さぶりと、聞き慣れた声。
いつもは自分が荒々しく起こすのに、今朝は逆。
何やねん、激しいやないか…………っ。
「…………………え」
激しい………………?
ガバッ…………………!!
「大和ぉっ!?お前ぇ、何ででこうなっとんじゃっ!!」
「は………………?俺は、中3からこの身長や、ボケ」
「ボ………………」
慌てて起き上がった嵩原の視界に入る、愛息子。
中3から。
そうですけど…………………。
何だこれ、いつもの大和がそこにいる。
「夢でも見たんちゃうか?皆、もう来とるし…………今日、藤原らが来とるから、帰る前に皆で昼メシ行こう言うたやろ?」
「ぁあ……………何や、そないな事言うた気ィするな」
夢?
やっぱり、夢だったのか……………アレ。
「まぁ、そりゃそうや……………皆が赤ちゃんて、有り得んわ」
「はあ?何の話やねん……………早よう着替えて、リビング来てや」
部屋を出て行く大和を見つめ、嵩原はボーッとする頭を掻く。
「あ、そう言や……………親父」
「はい……………?」
「山代がな、『嵩原組長は、本当に若頭を大切に育てていたんですね』やて………どないしたんやろな?いきなり」
「へ……………………」
大切に………………。
それ。
「ぇええええ……………っ!!!」
夢か真か。
摩訶不思議な朝の一時でした。
(皆様……ちょっと異色なお話になりました。読んで下さってありがとうございます(〃・д・) -д-))ペコリ。リクエスト、本当にありがとうございました(*´ω`*)これからもエロからコメディ?まで色々入りますので、そんな目で見ていただけたら幸いです.*・゚)
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